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2017年4月から福岡大学人文学部歴史学科で西洋史を担当してます。


by schembart

歴史学批評ジャーナル「視点」

今週は文書館に通う毎日でした。

まだまだ手書きの史料を読むのには時間がかかりますが、朝から夕方までじっくりと史料と格闘していますと、それなりに目も慣れてきてひとりでにテンションも上がってきます。5時の閉館時には思った以上に疲れている自分をみつけることになるのですが、史料を読み込むのはなんといっても歴史学の醍醐味ですので、なんとも言えない充実感があります。寒空の下、そんなちょっぴりの充足感に浸りながら帰路につくのも、なかなか素敵な気分です。

アウクスブルクの都市文書館が開いているのは火曜から金曜のお昼までですので、週末と月曜日は大学の図書館へ行ったり、部屋で文献を読んだりします。史料を読みだすと、自分の視点というか立ち位置みたいなのも自然と固まってくるので、また新しい目で文献を眺めることもできるようになります。だから文献を読むのもどんどん面白くなっていくわけです。良い傾向です。

文献を探すときには、「視点(sehepunkte)」というとても便利な批評サイトがありまして、ぼくもたまに使わせてもらっています。ドイツ史の専門家の方々にはもう慣れ親しんだサイトだと思いますが、こちらです。目のマークがかわいいですね(恐いという意見もあります)。

気になる研究者やキーワードを検索すると、けっこうな数の書評が現れます。研究書を手に取る前にその書評に目を通しておくとずいぶんと理解の助けになりますし、あるいは書評を読んでみるためだけにでも、とても便利なサイトです。評者の経歴や専門分野などもちゃんと公開されいます。

パソコンの上ではどうも文章(とくにドイツ語)を読むのが億劫なので、このところはあんまり使っていませんでしたが、プリンターを買ったので気になるものをどんどんプリントアウトしては読み進めています。日本でも同様の批評サイトがあれば良いのに…、あるいはぼくが知らないだけかもしれませんが、いかがでしょう?

アウクスブルクには雪も降って(吹雪いてました!)、例年よりもずいぶんと早く冬がやってきました。風邪をひかないよう気をつけながら、史料調査に励みたいと思います。みなさまもどうぞご自愛ください。
by schembart | 2009-10-17 03:46 | サイト紹介