文献紹介『ニュルンベルク都市事典』
2010年 01月 10日
『ニュルンベルク都市事典』
都市ニュルンベルクの歴史に関するあらゆる物事が取り上げられております。検索ワード数5610語、カラー写真を含む挿絵・図解1400点、執筆陣135名、総ページ数1250頁。くわえて33本のエッセイも収録。紙も上質なものを使っており、装丁も美しい。ちなみに『アウクスブルク都市事典』は、検索ワード数3000語以上と謳っております。
編者のひとりミヒャエル・ディーフェンバッハーは現ニュルンベルク都市文書館の館長さん、もうひとりルードルフ・エンドレスはバイロイト大学バイエルン・フランケン地域史学科の元教授。どちらもニュルンベルク都市史のみならず、フランケン地域史を牽引されてきた歴史家です。エンドレス教授の文献は、以下のものが日本語でも読めます(恥ずかしながらクザーヌスに関する寄稿論文には眼を通しておりませんが)。
ルードルフ・エンドレス、佐久間弘展訳「フランケンの司教宮廷都市:ヴュルツブルク、バンベルク、アイヒシュテット」『比較都市史研究』19-2 (2000), 55-67頁
ルードルフ・エンドレス「ニコラウス・クザーヌスと修道院テーゲルンゼー」八巻和彦・矢内義顕編『境界に立つクザーヌス 』知泉書館、2002年、77-96頁
さて『ニュルンベルク都市事典』は定価65€のところをアマゾン古本で30€となっていたので、さっそく購入することに。さすがにずっしりと重みがあります。ドイツ人研究者は、こういった事典類や史料集なんかを編むことが得意のようです。ニュルンベルク都市史に関して何か知りたいと思えば、この一冊があれば、信頼できる情報と参考文献を見つけることができるというわけです。すばらしい。
ニュルンベルグと言えば、ニュルンベルク裁判(Nürnberger Prozeß)、ハンス・ザックス(Hans Sachs)、アルブレヒト・デューラー(Albrecht Dürer)、あるいはレープクーヘン(Lebkuchen)などがすぐに頭に思い浮かぶかと思いますが、もちろん、それだけではありません。ほかにもたくさん歴史的に重要な人物や事件や文物がこの都市と関わりを持ってきました。ぱらぱらと事典を見ているだけで、くらくらしてきます。
とりあえず、座右の書として本棚に並べておこうと思います。