中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

カテゴリ:講義・講演会・研究会( 18 )

興味深い連続公開講義がアウクスブルク大学で開講されております。

「レヒ川—歴史と将来(Der Lech - Geschichte und Zukunft)」

アウクスブルク大学バイエルン・シュヴァーベン地域史学科と環境科学センターの共催です。自然科学、人文科学を問わず、多くの専門家がその専門の枠を超えて、レヒ川をめぐって語ろう、という企画。まさに学際的な地域研究の典型と言えるでしょう。講演者には、自然科学、人文科学の学者たちだけではなく、環境局(Bayerisches Landesamt für Umwelt)や水利経済局(Wasserwirtschaftsamt Donauwärth)の役人も名を連ね、レヒ川の将来を見据えた、有意義な連続講演会になりそうです。以下が講演タイトル。


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19. April
Dr. Eberhard Pfeuffer
Der Lech. "ein seer streng laufend und reißend wasser": Der Konflikt zwischen Wildfluss und Kulturlandschaft
レヒ川 “とてつもなく強く激しい川”:野生の川と文化景観との争い

3. Mai
Prof. Dr. Lothar Schilling
Wälder, Holzeinschlag und Flößer am Lech
森林、伐採、そしてレヒ川の筏流し

10. Mai
Prof. Dr. Marita Krauss
Isar und Lech - Geschichten von Naturschützern und Modernisierern
イーザル川とレヒ川—自然保護者と近代化論者たちの物語

31. Mai
Prof. Dr. Karl-Friedrich Wetzel / Oliver Böhm
Hochwässer, Hochwasserschutz und Wasserkraftnutzung
河川の氾濫、洪水予防、そして水力発電利用

21. Juni
Prof. Dr. Sabine Timpf
Lech digital: Erlebbarer Landschftswandel
デジタル・レヒ:経験可能な景観の推移

28. Juni
Prof. Dr. Freimut Löser
Flüsse im Mittelalter: Der Lech
中世の河川:レヒ川

5. Juli
Dr. Jens Soentgen / Dr. Stefan Lindl
Der Lech als Cyborg und als Wildfluss
サイボーグとしてのレヒ川、野生の川としてのレヒ川

12. Juli
Dr. Thomas Henschel / Steve Gallasch
Die Zukunft des Lechs im Spannungsfeld von Nutzungen und Schutzansprüchen
レヒ川の将来、利用と保護要求との狭間で

19. Juli
Exkursion zum Lech / zu den Lechheiden bei Augsburg
レヒ川遠足、アウクスブルク脇のレヒ川荒地へ

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次回の講演は、ぼくの指導教官のひとりシリング先生です。タイトルは「森林、木材伐採、そしてレヒ川の筏流し」というもので、ぼくの研究と深く関わりがある内容になりそうです。先日の三者面談のさいにも、シリング先生からは、事細かにいろいろと質問を受けてしまいました。ぼくの史料調査の成果も存分に使っていただけるとのこと。「この講演の内容は、わたしとキースリング教授とが共に指導をしている博士候補生ワタナベ氏の未刊行の博士論文に多くを負っています」、と講演の一部を披露してくれました。間接的にではあれ、自分の研究がこうして最新の地域研究に貢献できるのは、ささやかながらも、なんとも心躍る達成のひとつです。うれしい限り。次回の公開講演が楽しみです。

レヒ川の白鳥
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by schembart | 2012-04-20 16:06 | 講義・講演会・研究会 | Comments(0)
水曜・木曜と、アウクスブルク大学で開催された公開講演を聞きに行ってきました。日本の大学も、一般市民が自由に参加できる公開講演会を定期的に催せばよいのにと思います。

水曜は、歴史学部の主宰する連続公開講義「歴史のなかの経済危機(Wirtschaftskrisen in der Geschichte)」に行ってきました。今回は、近世史のロタール・シリング先生(Prof. Dr. Lothar Schilling)が講演者。講演タイトルは、

Distinktion, Spekulation, Krise – das „Tulpenfieber“ im Holland der 1630er Jahre
希少品、投機、そして危機:1630年代オランダにおける「チューリップ・ブーム」

チューリップはヨーロッパ原産の花ではなく、15~16世紀にオスマン帝国からヨーロッパに伝わったようです。16世紀後半から希少品として取引されはじめ、1630年代のオランダで人気の投機対象品となり、前代未聞のチューリップ・ブームが生じたようです。シリング先生は、前近代の経済危機として、「古い危機=不足危機(Mangelkrise)」と「新しい危機=投機危機(Spekulationskrise)」の2種類を区別し、1630年代オランダのチューリップ・ブームを、投機危機の最初の代表事例として位置づけます。朝から夕方まで、文書館での史料調査を終えてふらふらになっていたので、せっかくの興味深いテーマだったのに、途中で意識が飛んでしまうことしばし。シリング先生のご研究については、いつかまた改めて、まとめてご紹介したいと思っております。「チューリップ・ブーム」、日本でも文献はあるのでしょうか…、どなたかご存知でしたら、ぜひご教示ください。卒論や修士論文の最適なテーマだと思います。

木曜は、アウクスブルク大学法学部・言語歴史学部が共催する連続公開講演会「魔女と魔女迫害―学際的アプローチ」("HEXEREI UND HEXENVERFOLGUNG - INTERDISZIPLINÄRE ANNÄHERUNG")の最終講義に行ってきました。講演者は、現在アウクスブルク大学の学長を務めるザビーネ・デェーリング=マントイフェル教授(Prof. Dr. Sabine Doering-Manteuffel)。民俗・民族学の専門家です。講演タイトルは、

Wettermachen als Delikt. Schadenszauberei und Klimawandel in der Frühen Neuzeit
犯罪としての天候魔術:近世における有害魔術と気候変動

魔女迫害史研究と気候史研究(こちらこちらこちらもご参照ください)の橋渡しの必要性を説いておられました。魔女迫害と小氷期との因果関係については、ヴォルフガング・ベーリンガー(Prof. Dr. Wolfgang Behringer)の1995年の論文が重要で、デェーリング教授の今回の講演も、このベーリンガー・テーゼの是非をめぐる議論を軸に展開しました。デェーリング教授の結論は、16世紀末~17世紀初頭の魔女迫害の多発を説明する際に、当時の不安定な気候変動を無視するわけにはいかない、という穏当なものでした。地域別の個別研究の積み重ねがまだまだ必要だということです。

ちなみに、ベーリンガー先生の論文は、

Weather, Hunger and Fear. The Origins of the European Witch Persecution in Climate, Society and Mentality, in: German History 13 (1995) 1-27.

いづれの講演も、近世の危機をテーマにしております。危機研究については、これまたW・ベーリンガー「危機研究の十戒」が参考になるかと思います。
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by schembart | 2011-12-16 19:58 | 講義・講演会・研究会 | Comments(0)
Städtische Kultur im mittelalterlichen Augsburg, Tag der Mittelalterforschung 2011
「中世アウクスブルクの都市文化」(アウクスブルク大学中世史講座主催「2011年中世研究会議」)

昨日は、年に一度開催される「中世研究会議」(アウクスブルク大学中世史講座主催)に行ってきました。今回のテーマは、「中世アウクスブルクの都市文化」というもので、とても面白そう。午前中は大学で、午後はマクシミリアン博物館で、合計5本の講演が用意されております。プログラムはこちら

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Städtische Kultur im mittelalterlichen Augsburg
中世アウクスブルクの都市文化


PD Dr. Thomas Krüger, Augsburg
Gewalt und Recht: bürgerlich-klerikale Streitkultur im mittelalterlichen Augsburg
暴力と法―中世アウクスブルクにおける市民と聖職者の紛争文化

Mathias Kluge, M.A., Augsburg:
Der Kaufmann und die Schrift: Risiken der Globalisierung des Handels im Spätmittelalter
商人と文字―中世後期における商業の国際化のリスク

Dr. Andrea Worm, Princeton/Augsburg:
"So du groze angest habest, so lis disen salmen". Augsburger Psalterhandschriften des 12. und 13. Jahrhunderts
「大きな不安を抱いたら、この詩篇を読みなさい」:12~13世紀アウクスブルクの詩篇写本

Prof. Dr. Martin Kaufhold, Augsburg:
Baukultur und Bürgerstolz im mittelalterlichen Augsburg
中世アウクスブルクにおける建築文化と市民の誇り

Prof. Dr. Lieselotte E. Saurma, Heidelberg:
Das Bild der Stadt Augsburg in mittelalterlichen Handschriften
中世写本における都市アウクスブルクのイメージ
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どの講演も面白かったです。今回は、アウクスブルク大学中世史の講師陣に加え、二人の美術史家の報告もありました。いずれの報告も、パワーポイントで多くの図像史料を見せてくれました。クルーゲ氏の報告では、なんと「動画」(ハンザ商人がハンザ集会で商売のリスクについて語り合う場面)もあり、楽しめました。さすが「中世史:デジタルによる研究入門」を企画しているだけのことはあります。

夜の特別講演は、ハイデルベルク大学の美術史家ザウルマ教授。アウクスブルクの年代記作家ヘクトア・ミューリヒによる年代記挿絵を史料に、そこに現れる都市のイメージを詳細に論じられていました。以下の論文集の存在も初めて知りました。面白そう。図書館でぱらぱらとめくってみよう。

Lieselotte E. Saurma-Jeltsch / Tobias Frese (Hg.), Zwischen Mimesis und Vision. Zur städtischen Ikonographie am Beispiel Augsburgs, Berlin 2010.
『ミメーシスとヴィジョンの合間―アウクスブルクの事例に見る都市のイコノグラフィー』

以下の論文と突き合わせて読むと、都市史家と美術史家の問題関心の近さと遠さが分かって面白いかもしれませんね。

Rolf Kießling / Peter Plaßmeyer, Augsburg, in: Wolfgang Behringer / Bernd Roeck (Hg.), Das Bild der Stadt in der Neuzeit. 1400−1800, München 1999, S. 131-138.

以前から講演の成果は活字になっているので(例えば、こちら)、今回の講演もおそらく近いうちに論文集になるはずです。そんな高価なものでないので(10ユーロくらい)、本屋で見つけたら購入しようと思います。
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by schembart | 2011-07-15 19:41 | 講義・講演会・研究会 | Comments(2)
Wald und Jagd in den Beständen der Staatlichen Archive Bayerns
シンポジウム「バイエルン州立文書館所蔵史料にみる森林と狩猟」

今日はバイエルン州立中央文書館で開催されたシンポジウムに行ってきました。展示会「森のおはなし」の一環として企画されたものですが、文書館員さんによる10本の講演が行われました。全部を拝聴できたわけではありませんが、まずは講演タイトルを以下にご案内します。

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Dr. Julian Holzapfl
Vom Jagdprivileg zum Geäckerichbrief: Jagd- und Waldnutzungsrechte in Urkunden
狩猟特権から耕作文書へ:証書史料に現れる狩猟権と森林利用権

Dr. Elisabeth Weinberger
Wie man in den Wald ruft ..., so kommt es aus dem Archiv zurück. Die zentralbehördliche Aktenüberlieferung Kurbayerns im 18. Jahrhundert als Quelle forst- und umweltgeschichtlicher Fragestellungen
林業史および環境史上の問題提起史料としての18世紀バイエルン選帝侯領の中央官庁文書の伝来状況

Dr. Gerhard Immler
Amtsbücher der Jagd- und Forstverwaltung der frühen Neuzeit
近世の狩猟・森林管理に関する行政文書

Dr. Daniel Burger
Forstunter- und mittelbehörden im Alten Reich – zu Überlieferung, Bestandsbildung und Quellenwert für die Forschung. Das Beispiel „Waldämter der Reichsstadt Nürnberg“
旧帝国における森林下級・中級官庁―史料の伝来状況、所蔵整理、研究のための史料価値:「帝国都市ニュルンベルクの森林管理局」の事例から

Dr. Manfred Hörner
Wald und Waldnutzung als Gegenstand von Reichskammergerichtsprozessen
帝室裁判所訴訟の対象としての森林とその利用

PD Dr. Peter Fleischmann
Hirschsulzen, Hegsäulen und Vogelherde – Darstellungen der Hoch- und Niederjagd in alten handgezeichneten Karten
手書き古地図のなかの大物狩りと小物狩り描写

Dr. Christoph Bachmann
Der Wald erzählt seine Geschichte. Die Überlieferung der Ministerialforstabteilung im Bayerischen Hauptstaatsarchiv
森は歴史を語る:バイエルン州立中央文書館所蔵の森林部局官庁の史料伝来

Dr. Maria Rita Sagstetter
Wirtschaftsressource, Ökosystem, Erholungsraum. Der Wald in der Überlieferung der mittleren und unteren Forstbehörden des 19. und 20. Jahrhunderts
経済資源、エコ・システム、保養空間:19,20世紀の中級・下級森林官庁所蔵の史料に見る森林

Dr. Bernhard Grau
Der bayerische Wald im Kartenbild. Von der Uraufnahme zur digitalen Flurkarte
地図にみるバイリッシェ・ヴァルト:はじめての録画からデジタル地籍図へ

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文書館員さんの講演だけあって、史料に即したお話をたくさん聞くことができました。とくに、ニュルンベルクの帝国森林を扱ったダニエル・ブルガー博士とペーター・フライシュマン先生のお話しは、ぼくの研究にとっても重要な報告で、とても勉強になりました。

ブルガー博士の報告は、ぼく自身も博士論文で扱う予定のニュルンベルク州立文書館所蔵の森林局文書についての詳細な解説でした。気候・環境史、法制史、社会史、技術史、建築史など、さまざまな研究視角から、この膨大な史料を読み解く可能性について語ってくださいました。薪節約術の発明についても、18世紀のものですが、興味深い史料がたくさん残されているようです。史料のポテンシャルを最大限に生かした研究ができれば、歴史家としてそれにまさる喜びはないのですが、なかなか簡単な仕事ではありません。

フライシュマン先生の報告は、手書きの古地図を史料に、そこに現れるシカ捕網や鳥を捕えるかすみ網など、興味深い挿絵をたくさん見せてくれました。狩猟や密猟の問題は、ぼく自身もいつか突っ込んで考察したいテーマのひとつなので、これまた勉強になりました。ちなみに、ニュルンベルク州立文書館所蔵の膨大な古地図史料については、以下の文献があり、参考になります。

Die handgezeichneten Karten des Staatsarchivs Nürnberg bis 1806 (= Bayerische Archivinventare Heft 49), hg. v. d. Generaldirektion der Staat­lichen Archive Bayerns, München 1998, 566 S. und 20 Farbtafeln.
『ニュルンベルク州立文書館所蔵の手書き地図(1806年まで)』

他にも、近世バイエルンにおける森林関係の行政文書についてのイムラー博士の概説的なお話しなど、興味深い報告もありましたが、久しぶりに集中してドイツ語の講演をたくさん聞いて疲れてしまったので今日はここまで。なにはともあれ、今後の研究の励みとなるシンポジウムとなりました。また明日から自分の研究に励もうと思います。
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by schembart | 2011-05-31 03:56 | 講義・講演会・研究会 | Comments(0)
毎週火曜日は、マクシミリアン博物館主催の特別展「市民の力と書物の華麗(Bürgermacht & Bücherpracht)」の公開講演会に行っております。先週のグレゴール・ローマン博士(Dr. Gregor Rohmann)による「クレメンス・イェーガーとアウクスブルクの歴史叙述」も聞きに行きましたが、日記に書くのを忘れてました。ローマン博士のドイツ語が早すぎてうまく聞き取れなかったせいもありますが・・・。まだまだです。

今週は、バンベルク大学近代史講座のマルク・ヘーベルライン教授(Prof. Dr. Mark Häberlein)の講演会でした。アウクスブルクをはじめ、南ドイツの門閥家門についてのお仕事がおおくあります。刊行一覧は、こちら。16世紀アウクスブルクにおける商人家門の社会関係を扱った教授資格取得論文で有名です。

Mark Häberlein, Brüder, Freunde und Betrüger. Soziale Beziehungen, Normen und Konflikte in der Augsburger Kaufmannschaft um die Mitte des 16. Jahrhunderts, Berlin 1998 (Colloquia Augustana, Bd. 9).
『兄弟、親友、詐欺師:16世紀半ばにおけるアウクスブルク商人の社会関係、規範、そして紛争』

今回の講演は、近世社会におけるアウクスブルク都市門閥の移動に関するお話でした。へーベルライン教授のドイツ語は、いままでぼくが聞いてきたドイツ語の講演なかでも、いちばん聞きとりやすかったです。ぼくもこんなにリスニングできたんだ、と勘違いしてしまうほどに。とっても興味深く拝聴してきました。

Prof. Dr. Mark Häberlein, Bamberg
Pilger, Studenten, Handlungsreisende und Glaubensflüchtlinge: Migration und Mobilität in Augsburger Familienbüchern des 16. und 17. Jahrhunderts
巡礼者、学生、商旅行者、そして信仰亡命者:16~17世紀のアウクスブルク家系文書に見る移動と可動性

近代がダイナミックな動きのある世界で、近代以前は非ダイナミックな静止した世界。そんなイメージもありますが、近代以前にも、人々はたくさん移動していたのです。歴史学者たちは、いろんな史料を用いて、移動する人々の姿を追ってきました。へーベルライン教授によると、今回の展示会テーマである家系文書もまた、その近代以前の人々の移動について考察する際に、有用な情報をたくさん提供してくれる史料であるとのことです。移動する都市門閥を4つのカテゴリー(巡礼者、学生、商旅行者、そして信仰亡命者)にわけ、おおくの事例をあげながら、それぞれに分かりやすく解説してくれました。サンチアゴまで歩いて行った門閥子弟もいたようです。

そういえば、先週ミュンヘンで借りてきた本も、似たようなテーマを扱っていましたね。読んでみよう。こちらもいつか、(時間があれば)ご紹介します。

Klaus Herbers / Peter Rückert (Hg.), Augsburger Netzwerke zwischen Mittelalter und Neuzeit. Wirtschaft, Kulutur und Pilgerfahrten (Jakobus-Studien Bd. 18), Tübingen 2009.
『中世から近代にかけてのアウクスブルク・ネットワーク:経済、文化、巡礼』

昨日のブログでも触れましたが、日本だと栂香央里さんが、フッガー家を事例に近世のコミュニケーションやネットワークについての研究を進めておられます。博士論文も準備中とのこと。楽しみです。アウクスブルクにお住まいのみなさま、フッガー家についての研究を知りたければ、まずもって栂さんのご論文を読むのが一番です。
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by schembart | 2011-05-20 04:05 | 講義・講演会・研究会 | Comments(0)
マクシミリアン博物館主催の特別展「市民の力と書物の華麗(Bürgermacht & Bücherpracht)」の一環として毎週火曜日に開催される公開講演会に行ってきました。特別展は、アウクスブルクの「名誉・家系文書(Ehren- und Familienbücher)」が中心になりますが、今日の講演会は、ニュルンベルク都市門閥の「家門の書(Geschlechterbücher)」についてのお話。

PD Dr. Peter Fleischmann, Staatsarchiv München
Bürgerliches Selbstbewusstsein - Stadtadeliges Selbstverständnis
Geschlechterbücher des Nürnberger Patriziats
市民の自己認識-都市貴族の自己理解:ニュルンベルク都市門閥の家門の書

ミュンヘン州立文書館の館長を勤めるペーター・フライシュマン博士は、私講師としてアウクスブルク大学のバイエルン・シュヴァーベン地域史学科でもゼミナールを主催しております。残念ながら、ぼく自身はそのゼミナールに出席した経験はありません。これまでの業績は、こちら

じつは、修士課程の学生の時分に、ニュルンベルクの都市年代記についてゼミで報告した経験があったので、今日のお話もずいぶんと理解できました。「家門の書」は、都市における身分的序列のなかで自身の家系の「名誉」を確かなものにすることを目的とし、15世紀後半から16世紀にかけて、有力な帝国都市において多く作成されました。挿絵の豪華さと紋章の多さ、そして頁数の多さこそが、自身の家門の由緒正しさを証明するとばかりに、次第にその「書」は豪華な代物になっていきます。見ているだけで、頭がくらくらしてきます。ニュルンベルクとアウクスブルクこそは、なんとも豪奢なこの「家門の書」を多く生み出した二大都市だったのです。その豪奢絢爛については、特別展のサイトからも容易にうかがい知ることができると思います。例えば、こちら

ちなみに、フライシュマン先生のニュルンベルク都市門閥に関する教授資格取得論文(Habilitation)は、都市指導層に関する多くの研究のなかでも、質量ともに群を抜いており、集大成的で記念碑的な仕事となっております。2008年に3巻本で刊行されました。いつか、こちらでもご紹介したいと思います。

Peter Fleischmann, Rat und Patriziat in Nürnberg. Die Herrschaft der Ratsgeschlechter vom 13. bis zum 18. Jahrhundert (Nürnberger Forschungen 31/1-3), Nürnberg 2008.
『ニュルンベルクの市参事会と都市門閥:13世紀から18世紀にかけての都市門閥による統治』

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フライシュマン先生は、ぼくが日本で大変お世話になった佐久間弘展先生の研究仲間で、博士論文も同じ時期に同じ先生のもとで執筆されていたようです。留学前に、佐久間先生からもフライシュマン先生のお話は伺ったことがありました。ぼくがはじめてフライシュマン先生にお会いしたのは、ちょうど一年前のこと。奨学金の延長申請の推薦書の執筆をお願いしたときでした。ぼくの準備が万端でなく、提出期限ぎりぎりでお願いすることになってしまったのですが、快く引き受けてくださいました。

書いてもらった推薦書を受け取りにアウクスブルク州立文書館(当時、フライシュマン先生はそこの館長だったのです)へ行くことに。しっかりとお礼の気持ちを伝えないといけなかったのですが、先生とお会いするのは、その時のぼくには、ずいぶんと気の重くなる仕事でもありました。ちょうどその前年に、佐久間先生が若くして亡くなられており、その事実を伝えなくてはならなかったからです。佐久間先生は、ドイツに研究滞在されるときは、フライシュマン先生のもとに宿をとることも多かったようです。

フライシュマン先生とはそれ以後もメールでやりとりをさせてもらったりしていますが、実際にお会いしたのは今日が二回目となりました。

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マクシミリアン博物館での公開講演会はまだまだ続きます。来週は、アウクスブルクの年代記作家クレメンス・イェーガーについてのお話です。これまた面白そう。講演者は、イェーガーについての博士論文があるグレゴール・ローマン博士(Dr. Gregor Rohmann)。期待が膨らみます。その博士論文も、いつかこちらでご紹介できたらなと思います。来週の予習にちょっと目を通しておこう。

Gregor Rohmann, „Eines Erbaren Raths gehorsamer amptman”. Clemens Jäger und die Geschichtsschreibung des 16. Jahrhunderts, Augsburg 2001 (Abhandlungen zur Geschichte des Bayerischen Schwaben. Veröffentlichungen der Schwäbischen Forschungsgemeinschaft bei der Kommission für Bayerische Landesgeschichte, Reihe 1, Bd. 28).
『”名誉ある市参事会に忠実なる役人”:クレメンス・イェーガーと16世紀の歴史叙述』
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by schembart | 2011-05-04 04:24 | 講義・講演会・研究会 | Comments(0)
昨夜は、アウクスブルク大聖堂にあると言われる神聖ローマ皇帝オットー三世の墓所についての講演会を聞きに行ってきました。講師は、以前にここでもご紹介しました中世史の入門サイト『中世史:デジタルによる研究入門』の作成者でもあるマティアス・クルーゲ(Mathias Kluge)氏。詳細はこちら

会場は、講演テーマの舞台でもあるアウクスブルク大聖堂。あいにくの天気にもかかわらず、コートにマフラーと完璧な防寒姿で集まった聴衆は100名弱。寒い寒いとひとりごちながらぼくも参加してきました。思った以上に聴衆が集まったようで、講演会場は小さなチャぺルから大聖堂のど真ん中に急きょ変更。

マイクの声が大聖堂内に響く響く。エコーの具合は絶好調です。まるでラテン語説教を聞いてるみたいに上の空になること数知れず…。せっかくの興味深いお話も、残念ながら半分ほども理解できずじまい…。まぁでも、アウクスブルク大聖堂にまつわる歴史的なお話を、当の大聖堂で聞くことができる、その雰囲気を味わえただけでも大満足。高い高い天井を見上げながら、そんな風に思った次第です。

1002年、ローマでオットー三世は死去。皇帝の遺体は、あのカール大帝も眠るアーヘンへと埋葬されるべく、アルプスの山々を超える。ところが、遺体を運ぶ一行はバイエルン公ハインリッヒ二世により行く手を遮られ、陶器に保管された皇帝の内臓を奪われてしまう。バイエルン公は、その皇帝の内臓をアウクスブルク大聖堂に埋葬させたという。いつしか人々はそのことを忘れてしまった…。(Vgl. Jörg Rogge, Die detuschen Könige im Mittelater. Wahl und Krönung, Darmstadt 2006, S. 10)

クルーゲさんは、15~16世紀アウクスブルクの人文主義者ポイティンガーの残したメモ書きや大聖堂にある碑銘の文言を手掛かりに、オットー三世の墓所としてのアウクスブルク大聖堂の意味を探りだします。また、エルンスト・カントロヴィッチなどの議論を援用し、「皇帝の身体が持つ地政学上の意味」を問うことを通じ、中世における王権のありかたとその変容過程をもそこから見出そうとしていました(とぼくは理解しました)。詳細については、きっとまた活字としても発表されるでしょう。そちらをご参照くださいな。

ちなみに、歴代の神聖ローマ皇帝(カール大帝からフランツ二世まで)の埋葬地については、以前にご紹介した『神聖ローマ帝国:概説』の付録に一覧があります。埋葬地地図もありました。

Klaus Herbers/Helmut Neuhaus, Das Heilige Römische Reich: Ein Überblick, Köln u.a. 2010, S. 311-313.

ちなみに、中世のアウクスブルク大聖堂については、以下の冊子が参考になります。

Martin Kaufhold (Hrsg.), Der Augsburger Dom im Mittelalter, 2. Aufl. Augsburg 2007.

昨日はうっかり大聖堂の写真を撮るのを忘れてしまいました。ずいぶんと前の写真をどうぞ。
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by schembart | 2010-12-07 19:25 | 講義・講演会・研究会 | Comments(0)

人食い裸族のお話

ついに12月になってしまいました。先生方があちらこちらに忙しく走り回る季節です。

昨日は、以前にちょっと紹介しましたアウクスブルク州立・市立図書館後援会が主宰する講演会に行ってきました。現在アウクスブルク大学に客員として滞在中のクラウス・ヒルバート教授(Prof. Dr. Klaus K. Hilbert)による「ブラジルの野蛮な人食い裸族について("Von den wilden/nacketen/grimmigen Menschenfresser-Leuten im Lande Brasilien")」という興味深い題目の講演会。

聴衆はおじいちゃん、おばあちゃんを中心に50人近く。キースリング先生の姿も。久しぶりにお会いしたので緊張しちゃって、しどろもどろの挨拶しかできませんでした・・・。ああぁ。

ヒルバート教授は、ハンス・シュターデン(Hans Staden; um 1525-1576)が1557年に刊行した『新世界アメリカにある野蛮な人食い裸族の国に関する本当の物語(Warhaftige Historia und beschreibung eyner Landtschafft der Wilden Nacketen, Grimmigen Menschfresser-Leuthen in der Newenwelt America gelegen)』を史料に、シュターデンがブラジルの原住民に捕えられて、その習俗に畏れおののき、奇跡の帰還を果たすまでの軌跡を、その興味深い挿絵を紹介しながら詳細に解説してくれました。アウクスブルク州立・市立図書館にも、オリジナル刊本がいくつか所蔵されています。

帰宅してパソコンで調べてみると、なんと日本語訳もあるようです(ハンス・スターデン著、西原亨訳 『蛮界抑留記―原始ブラジル漂流記録―』帝国書院、1961年)。ご関心のある方は図書館で調べてみてください。ぼくも頭の片隅に記憶しておこう。現代ドイツ語訳もあるようなので、図書館行ったら見てみようと思います。

講演会の帰りに、またクリスマス市の写真を撮ってきました。もうお店は閉まっていたけども、イルミネイションがとっても綺麗。
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by schembart | 2010-12-02 02:51 | 講義・講演会・研究会 | Comments(0)

2010/11年冬学期

アウクスブルク大学でも冬学期の授業が始まっております。夏学期に引き続き、またいくつか面白そうな講義が開講されるので、また聴きに行こう。

まずマルティン・カウフホールド教授(Prof. Dr. Martin Kaufhold)による中世史の講義。今回のテーマは「中世の王権(Das Königtum im Mittelalter)」。以下が講義の概要。

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(聖書までさかのぼる)古くからの伝統を持つ王権は、中世にヨーロッパで支配的な統治形態となる。初期中世には王権が存在せず、また中心的な統治機構も持たなかった国々もまた、キリスト教化にともなって王国へと発展した。例外は少ない(アイルランドやスイス)。ともあれ、長い中世(500年~1500年)の経過の中で、王権は著しい変化を被ることとなる。(たしかに実際にはほとんど見られないが)臣民に対するあらゆる権限を有したキリスト教化された部族の首領から、中世盛期および後期になると、範囲のはっきりと限定された権限を有する世俗の支配者が生まれた。徐々に政治理論も形成される。ヨーロッパの重要な王国においてさまざまな伝統が成立する(世襲王制と選挙王制、強大な中央集権あるいは封建構造・議会の参与)。本講義では、影響力を強く持つこの伝統形成の特性を解説し、シチリアからノルウェー、スペインからポーランドに至るまでの国々を重要な事例に、王権のさまざまな特質を取り上げる。以下の問いが重点的に扱われる。どんな理念が国王の支配を特徴づけ、それはいかに変遷していったか? 支配の枠組みはいかに発展していったか? 実際にどの国々が王を頂き、どのような支配の手段を用いていたのか? 中世の有名な国王たちについて、私たちは何を知っているのか? 女王たちは何をしていたのか? ヨーロッパの歴史を長きに渡って特徴づけたこの支配形態の国制的・政治史的なポートレートを多彩に描くことが講義の目的となる。
参考文献:
- Das Königtum. Seine geistigen und rechtlichen Grundlagen. Mainau-Vorträge 1954, 4. Aufl. Sigmaringen 1973.
- E. Boshof, Königtum und Königsherrschaft im 10. und 11. Jahrhundert, München 1993.
- R. Schneider, Das spätmittelalterliche Königtum im europäischen Vergleich, Sigmaringen 1987.
- E. Kantorowicz, Die zwei Körper des Königs, München 1990.
- Bernhard Jussen (Hrsg.), Die Macht des Königs: Herrschaft in Europa vom Frühmittelalter bis in die Neuzeit, München 2005.
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ロタール・シリング教授(Prof. Dr. Lothar Schilling)による近世史の講義。テーマは「17世紀のヨーロッパ(Europa im 17. Jahrhundert)」で、夏学期の続き。

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2010年夏学期の講義に引き続き、本講義では―研究上、異常な危機の世紀と称される―「長い」17世紀について概観する。それは「鉄の」時代であり、終わりなき戦争、甚大なカタストロフの時代であり、―多くの国々(例えばドイツの大部分、イタリア、イベリア半島)では―たとえ没落とは言えなくとも、統計人口上・経済上の停滞の世紀であった。17世紀はまたフランス史上「偉大な世紀」、「古典的な時代」であり、世紀半ばからはヨーロッパ全域にわたるバロックの時代でもあった。社会史的に見ると、17世紀は社会階層の安定化期であり、またあるところでは農村世界の著しい再封建化の時代であった。本講義では、この時代の主要な展開を概観し、とくに30年戦争、イングランドの革命における危機、スペインの没落、ルイ14世の王制、またハプスブルク家の興隆を取り上げ、それを経済・社会史的、政治・国制的展開の文脈の中に位置づける。
参考文献:
- Robert Mandrou, Staatsräson und Vernunft. 1649-1775, Frankfurt u.a. 1976.
- Paul Münch, Das Jahrhundert des Zwiespalts: Deutsche Geschichte 1600-1700, Stuttgart 1999.
- Thomas Munck, Seventeenth Century Europe. State, Conflict and the Social Order in Europe 1598-1700, London 1990.
- Volker Press, Kriege und Krisen. Deutschland 1600-1715, München 1991.
- Heinz Duchhardt, Europa am Vorabend der Moderne 1650-1800, Stuttgart 2003.
- Heinz Schilling, Konfessionalisierung und Staatsinteressen. Internationale Beziehungen 1559-1660 (Handbuch der Geschichte der Internationalen Beziehungen 2), Paderborn u.a. 2007.
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ギーゼラ・ドロスバッハ教授(apl. Prof. Dr. Gisela Drossbach)による地域史の講義。テーマは「中世後期のバイエルンとシュヴァーベン:皇帝と異端、危機と改革(Bayern und Schwaben im Spätmittelalter. Kaiser und Ketzer, Krisen und Reformen)」。ちなみにドロスバッハ教授は、以前にゼミで読んだメーゲンベルクのコンラート(Konrad von Megenberg, 1309-1374)に関する研究で有名です。

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14世紀はアヴィニョン教皇庁(1316~78年)と西洋の大シスマ(1378~1415年)、100年にわたる政治権力間の闘争によって特徴づけられる。バイエルンとシュヴァーベンもこの展開に決定的に巻き込まれる。本講義では、とくにシュヴァーベンの諸帝国都市の、一方ではドイツ王・ローマ皇帝に対するその地位に、他方で都市間の政治的ネットワーク化に焦点が当てられる。(…)また編纂された都市法の発展、その違反と刑罰も講義の関心事となる。さらに、「危機」、すなわち中世後期に多大な影響を及ぼすこととなる大ペストとその他の疫病、農業危機、温暖期の終焉などの諸要素、および地域における帝国、騎士・宮廷の貴族、異端と異端審問の開始、教育と芸術などもまた重要なテーマとなる。
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そのほか、毎冬学期に開催される連続公開講義(ちなみに前回のテーマは『世界史の分岐点』)ですが、今回のテーマは『歴史におけるエリート(Eliten in der Geschichte)』。早稲田大学のヨーロッパ文明史研究所が進める研究プロジェクトに通じるところがあります(参照:井内敏夫(編)『ヨーロッパ史のなかのエリート―生成・機能・限界―』太陽出版、2007年;森原 隆(編)『ヨーロッパ・エリート支配と政治文化』成文堂、2010年)。いくつか面白そうなタイトルも並んでるので、聴きに行ったらまたここでも紹介したいと思います。
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by schembart | 2010-10-20 00:31 | 講義・講演会・研究会 | Comments(4)

2010年夏学期

長かった春休みもそろそろ終わりまして、ようやくアウクスブルク大学でも今週、来週あたりから授業がはじまります。

ぼくはと言えば、相変わらず週2回のペースでニュルンベルク都市文書館に通う日々を続けております。冬学期はほとんど大学に行くことはなかったのですが、夏学期は講義だけでも聞きに行こうかなと思っています。ニュルンベルクには毎日行くわけではないですし、ちょうどうまいことに木曜日に続けてとても面白そうな講義があるのです。

ひとつはマルティン・カウフホールド教授(Prof. Dr. Martin Kaufhold)による中世史の講義。今回は中世後期がテーマとなっています。こちら

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中世末期の波乱に富んだ時代―そこではさまざまな新しい運動が教皇庁教会を中心とした信仰の秩序に疑問を投げかけ、社会的な紛争が形成されつつある社会秩序に不安を与え、ヨーロッパの政治権力が新たな姿となって現れ出てくる。本講義はそんな時代を取り上げる。ペストの襲来や百年戦争などの多種多様な危機が時代を震撼させ、人口は顕著に減少する。しかしそれは新たな秩序の芽生えの時代でもあった―宗教改革につながるいくつかの潮流、ルネサンス、発見の旅の開始のなかにその萌芽を見出すことができる。講義はペスト危機から15世紀後半―コンスタンティノープルがトルコに占領され、百年戦争は終焉を迎え、印刷術が発明され、それにより中世の知識が広まり、ついにはコロンブスがマルコ・ポーロの旅を読み知り、そしてヨーロッパは新たな自己認識に沿って新たな境界を切り開く―までを射程とする。
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参考文献として挙げられているのは、次の2点。

- Peter Moraw, Von offener Verfassung zu gestalteter Verdichtung. Das Reich im späten Mittelalter 1250-1490, Berlin 1985.
- Erich Meuthen, Das 15. Jahrhundert. 4. Aufl. München 2006.

もうひとつは、近世史のロタール・シリング教授(Prof. Dr. Lothar Schilling )による講義「16世紀のヨーロッパ」。

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講義では近世初期のヨーロッパ史に関する概略を提示する。同時代人によるヨーロッパのイメージやその認識のありかた、それからヨーロッパ外の世界とのかかわり、また1500年頃のヨーロッパ社会の構造などが扱われる。宗教改革、宗派に沿った共同体の形成、そこから生じる危機や紛争などの問題は、ヨーロッパ全体の趨勢のなかで考察する必要があり、また経済・社会・政治・国制上の展開という文脈のなかに位置づけて論じることが重要となる。
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参考文献は、
- Geoffrey R. Elton, Europa im Zeitalter der Reformation 1517-1559, 2. Aufl., München 1982.
- Michael Erbe, Europa im konfessionellen Zeitalter. 1500-1600, Stuttgart 2009.
- Robert von Friedeburg / Luise Schorn-Schütte, Politik und Religion: Eigenlogik oder Verzahnung? Europa im 16. Jahrhundert, München 2007.
- Harm Klueting, Das konfessionelle Zeitalter. Europa zwischen Mittelalter und Moderne. Kirchengeschichte und Allgemeine Geschichte, Darmstadt 2007.
- Heinrich Lutz, Reformation und Gegenreformation, 5. Aufl., München 2002.

どちらも面白そう。きっと概説的なお話が多くなると思いますが、ドイツ語の聞きとりの訓練もかねて、週に一度は大学まで出かけてのんびりと講義を聴講してこようかと思います。
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by schembart | 2010-04-19 21:10 | 講義・講演会・研究会 | Comments(2)