中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

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学会にむけて 準備報告

学会へむけての最終プレ報告を大学院ゼミでさせてもらいました。

用意した原稿をちょっぴり急いで読み上げたら、およそ35分かかりました。
本番は30分。あと少し削げ落とさないと。もっとスリムに、もっとスリムに。

プレゼンの方法も、考えないといけません。原稿を読み上げるだけだと、どうしても聴衆には伝わりにくいのです。ですが、原稿を持たずに学会報告に臨むほどずぶとい神経は持ち合わせていません。少しでも聞きやすく読みあげないと。口がまわらない個所もいっぱいありました。読み上げる練習もしないといけません。もっとスムースに、もっとスムースに。

ゼミの後、聞いてくれた方々と飲みに行きました。

報告に対して、いろいろな意見、アドバイス、批判をずいぶんといただきました。何度も何度もぼくの報告を聞いてくれてる方々なので、ためになる助言ばかり。ありがたいことです。ビールも美味しく飲めました。

本番は二週間後、がんばろうと思います。
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by schembart | 2009-05-30 15:06 | 研究 | Comments(0)

宗教改革の論文集

宗教改革に関する最新の論文集が刊行されました。

森田安一編『ヨーロッパ宗教改革の連携と断絶』教文館、2009年

 はしがき カルヴァン生誕500年を迎えて   森田安一
 Ⅰ ヨーロッパ宗教改革の連携と断絶
  1 ルター派形成過程における連携と断絶  野々瀬浩司
  2 宗教改革急進派                踊 共二
  3 カルヴァン派の展開              和田光司
  4 ブリテンにおける1534年と1560年    富田理恵/山本信太郎
  5 長期の宗教改革運動             西川杉子
 Ⅱ 宗教改革の諸相
  6 再洗礼派による「ゲマインデ」形成     早川朝子
  7 ドイツ宗教改革における公会議論の展開について 渡邊伸
  8 ドイツ・スイス福音派の連携と断絶     岩倉依子
  9 宗教改革期アウクスブルクにおけるフッガー家 栂香央里
  10 イングランド宗教改革初期における亡命福音主義者への接近 山崎かおる
  11 16世紀ルッカの「異端者」と政治エリート 高津美和
 Ⅲ 宗教改革の展開
  12 純正ルター派と《言論の自由》       蝶野立彦
  13 近世都市ケルンの参事会と「にせ巡礼」 高津秀之
  14 宗教改革期における女子教育の理念と実践 櫻井美幸
  15 リチャード・フッカーと伝統          青柳かおり
  16 神学領域における宗教改革研究      村上みか
  (各論文の副題は省略してあります)

以前にぼくも報告させてもらった「宗教改革史研究会」のメンバーがそれぞれに論文を持ち寄って編まれた論文集です。歴史学の分野で宗教改革にかんする論文集としては、数十年ぶりの成果だと思います。その間の研究の蓄積と深化がはっきりと反映されており、目次を見ただけでも、どの論考も読み応えがありそうでわくわくします。

ありがたいことにご恵与いただいたので、ひとつひとつ大切に読み進めていきたいと思います。

宗教改革史を勉強しようと思う学生や大学院生にとっては、これまた近年刊行されたロバート・W・スクリブナー/スコット・C・ディクソン、森田安一訳『ドイツ宗教改革』(岩波書店、2009年)とともに、まず第一に参照されるべき研究成果であると思います。
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by schembart | 2009-05-26 11:28 | 文献拝受 | Comments(0)

青空古本市にて

青空古本掘り出し市に行ってきました。早稲田大学の正門で23日まで開催されいるようです。


お昼ごろに覘きに入って、1時間ほど古本を漁ってきました。気分が落ち着きます。

ほしい書籍もいくつか見つけたのですが、値段を見て今回はパスすることに。そのかわりに、雑誌『思想』バックナンバーを一冊105円でいくつか購入してきました。思想関係には弱いので、いままで『思想』もなんだか敬遠していたのですが、歴史系の論文も一昔はおおく収録されていたみたいです。

とくに目に留まったのは、

エンゲルハルト・ヴァイグル、三島憲一訳「アウクスブルク―旧ヨーロッパ的秩序の終焉」『思想』842, 1994/8, 64-79.

著者のヴァイグル氏は、1983年から88年まで東大教養学部の外国人教員として教鞭をとられていたようです。その後オーストラリアのアデレード大学ドイツ文学科教授。歴史学よりも、文学、哲学、教育学などがご専門のご様子。そのヴァイグル氏が『思想』上で「啓蒙の都市周遊」というシリーズを執筆されていて、その第一回目が上の「アウクスブルク」論文ということです。

第一回目ということで、いきなり啓蒙主義を云々する前に、ヨーロッパの人文主義の伝統を語るなかで、アウクスブルクに焦点が当てられています。都市の伝統、都市経済の勃興(フッガー家、ヴェルザー家)、都市の人文主義(コンラート・ポイティンガー)、それに宗教改革と初期資本主義が続いて論じられます。とても興味深く読みました。

ただ、おおまかには「都市と国家の競争」という文脈で、中世における都市の勝利から近世における国家の勝利へ、というよく言われる図式が語られております。それは、中近世のドイツ都市史を研究する者にとって、まさに目の上のタンコブのような図式でもあります。もう少し違う見方で語られても良いのではないか、と考え込んでしまいます。

そのほかにも、初期資本主義の時代に利子をめぐって展開された「自己の利益」と「共同体の利益」との衝突・論争経過など、とても興味深い論点がたくさん盛り込まれた、読み応えのある論文でした。
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by schembart | 2009-05-21 16:23 | 研究 | Comments(0)

学会報告に向けて

一か月後に、日本西洋史学会という大きな学会で研究報告をさせていただきます。

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日本西洋史学会第59回大会 会場:専修大学 生田校舎
日時:2009年6月14日(日)
D:中近世史部会 2 11:00-11:40

渡邉裕一「中近世アウクスブルクの木材供給―都市の森林所有とレヒ川の筏流し―」

司会:森田安一教授(日本女子大学)
日本西洋史学会リンク
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ぼく以外の報告者のタイトルは、リンク先をどうぞ。興味深そうなタイトルがたくさん並んでいます。30分の短い報告時間の中で、少しでもインパクトを残せるようがんばりたいと思います。

このテーマは、昨年までのアウクスブルクでの交換留学で勉強してきた成果で、いくつかの研究会、ゼミですでに報告させてもらいました。ありがたいことに、そのたびに先生や先輩方から有益な助言をたくさんもらい、そのつど考え直し、軌道修正を繰り返してきました。残り一か月も、少しでも良くなるように、細かな点まで気を使って完成させたいなと思います。恥ずかしい報告にならないように。

レヒ川の筏流しの模型(フュッセン市立博物館より)
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by schembart | 2009-05-15 23:15 | 研究 | Comments(0)

村上春樹さんの最新刊

今回は、読書のおはなし。

一番好きな作家はだれですか、と聞かれたら、うーんと悩みながらも、村上春樹の名前がいちばんに頭に浮かびます。宮本輝、池澤夏樹、川上弘美、あるいは柴田元幸翻訳のポール・オースターなんかも捨てがたいけども、なんだかんだで、やっぱり村上さんです。

柴田元幸さん責任編集文芸誌『モンキービジネス』最新号には、そんな村上さんのロング・インタビューが掲載されています。

村上春樹、聞き手 古川日出男「「成長」を目指して、成しつづけて―村上春樹インタビュー」 『monkey business 2009 Spring vol.5 対話号』ヴィレッジブックス

70頁以上にわたるロング・インタビューで、読みごたえも充分。村上さんが珍しくも、自らの作品について、時代をおいながら、コメントしてくれています。小説を書くことに対する、村上さんのものすごくストイックな姿勢に、ひどく心打たれます。

『風の歌を聴け』からはじまって、もうすぐ発売される最新長編小説(『1Q84』新潮社、2009年5月29日発売予定)にいたるまで、村上さんが「みずから書きたいと思う小説」を、ただそれだけをひたすら書きつづけてきたということが、よくわかりました。言葉にすると簡単なようだけど、そんなことを心の底から言えるような作家は、世界でもおそらく数えるほどしかいないように思います。

ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』を超える総合小説。村上さんが目指す先も、ほんのちょっぴりとコメントしてくれています。なんとも大きな話で、一読者としては、新刊長編への期待は膨らむばかり。

村上さんが同時代の作家さんで、こうやって最新の作品を楽しみに待つことができるのは、なんと幸せなことでしょう。その幸せをかみしめながら、5月29日の発売を待ちたいと思います。


今回の『モンキー・ビジネス』には、その他にも、僕の大好きな川上弘美さんが小川洋子さんと対談していて、お得感たっぷりです。こちらもまた楽しみです。
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by schembart | 2009-05-12 21:42 | 読書 | Comments(0)

アウクスブルクの町並み

2007年10月から2008年8月の終りまで、大学の交換留学制度を利用させてもらい、南ドイツのアウクスブルク大学へと留学してきました。一年間はあっという間でしたが、今思い出すと、やっぱりとても充実した日々でした。ああ懐かしい。

ドイツに旅行したことのある方々は、もしかするとロマンティック街道の途中で、アウクスブルクに立ち寄ったことのある方もあるかもしれません。いまでこそミュンヘンやベルリンほど有名ではありませんが、僕が研究している中世から近世にかけての時代には、南ドイツ有数の大都市だったのです。

高校の世界史教科書にも載っているフッガー家や「アウクスブルクの宗教和議」なんかを思い出される方も多いかもしれません。

それから有名なものに、ルネサンス様式建築の最高峰と称される市庁舎とその隣にそびえるペルラッハ塔があります。17世紀初めに、建築家エリアス・ホル(Elias Holl, 1573-1646)によって建てられた市庁舎は、たしかに、いまでも都市アウクスブルクを代表する記念碑的な建物で、それを見上げる人たちに「ほぅぅぉぉぉー」という感嘆を呼び起こさせます。

夕立が去った後の市庁舎とペルラッハ塔
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夏場に、市庁舎前広場のオープン・レストランで美味しいソーセージをつまみ、冷えたビールを飲みながら、ぼんやりと市庁舎とペルラッハ塔を見上げていると、もう何と言うか、何でも良いような、どうでもよいような、まあこのままでいいか、とそんな気分になってしまいます。

この夏も、エリアス・ホルの市庁舎を見上げながら美味しいビールを飲めますように。
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by schembart | 2009-05-09 22:29 | 思い出 | Comments(0)

歯を治す その2 

留学準備で始めた歯の治療。

今日も朝から行ってきました、歯医者さん。
今回は上の前歯。口を大きく開け、麻酔を打たれ、ぎーごごごごご、ぎーごごごごごご、と削られてきました。まだまだ続きそうです、歯の治療週間。はやく終わればいいな。

午後からは、ゼミでのラテン語購読。
今は、メーゲンベルクのコンラート(Konrad von Megenberg, 1309-1374)の盗賊騎士に関する文章を読んでいます。両親に先立たれた若い騎士が、略奪を繰り返すような盗賊騎士に落ちぶれることなく、いかにしてまっとうに生きていくことができるのか―。友人の援助が大切ですよ、孤立してはいけませんよ、とコンラートは説きます。「一匹が倒れたら、彼のもとに集まって、長い鼻で彼を支えるあの敬虔な象たちのように…」と。
なんだか、身につまされる内容です。

ラテン語はとても難しいのですが、ひとつひとつ丁寧に辞書で調べながら解読していく作業は、なんだかんだでとても楽しいものです。すらすらとラテン語を読めるようになったら、だからきっと、とても気持ち良いのだろうな。あこがれてしまいます。
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by schembart | 2009-05-08 20:51 | Comments(0)

研究会の後に…

土曜日の研究会では、休暇中にもかかわらず、多くの方に報告を聞いていただきました。とてもありがたいことです。

6月の日本西洋史学会のプレ報告ということで、報告時間も30分以内を目安に準備したのですが、なんだかんだで45分くらいかかってしまいました。もっとスリムに、削らないといけません…。

限られた時間のなかで、聴衆に自分の主張を納得してもらうためには、それなりの技術が必要なのです。自分の主張に対する自信というか確信も必要です。頭では分かっていても、なかなか実践は難しいですね。本番も頑張らないと。

研究会の後は、楽しい懇親会。自分の報告の後ということで、緊張も解けて、ビールも格別に美味しかったです。結局、いつものメンバーで三次会まで…。こうやって一緒に飲んでいただける先輩方がいるのは、嬉しいことです。

日曜日には、いつものように鈍行列車に揺られて実家の岐阜県は恵那市まで帰ってきました。のんびりとした時間が流れています。ゆっくりと頭を休めたいと思います。

みなさまも良いご休暇をお過ごしくださいな。
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by schembart | 2009-05-04 17:09 | Comments(0)

ドイツでの学籍登録

大学の制度というのは、それぞれの国によって異なるものです。

ドイツの大学には、日本のような入試制度はありません。その代わり、大学を修了するのは、日本よりもずいぶんと難しいようです。この違いって、思った以上に、大きいように感じます。

昨年、アウクスブルクで出会ったトルコ人の友人によると、トルコでは年に一回「全国一斉大学入学試験」が行われ、その結果如何によって入学できる大学が決まるようです。その日に失敗してしまうと、次の全国入試まで、つまり丸一年間、またまた試験勉強の日々が続くんだよ、とのこと。だから、この全国入学試験に向けての切迫感は、並々ならぬものがあるようです。うーん、すごい制度ですね。

ドイツでは入試がないかわりに、入学許可を得るのには、いろんな書類やら語学証明書やらが必要で、ほんとにややこしいものです。どこの国でも、事務的な仕事というのは煩わしいものなのです。あるいは、とりわけ僕が、そういった事務能力に欠けているだけなのかもしれません…。

10月からアウクスブルク大学に博士候補生(ドクトラント)として登録する予定なので、それに向けてあれやこれやの事務手続きが5月くらいから始まります。たしかに、トルコ人の学生が臨む年一度の「全国一斉大学入学試験」と比べたら、ずいぶんと気楽なものですが、根が怠け者の僕には、気は抜けません。がんばろう。

この秋から無事にアウクスブルク大学の学生となれますように。
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by schembart | 2009-05-01 20:48 | Comments(0)