中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

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≪2012年7月31日更新≫

ドイツで日本語の本を見つけるのは至難の業。アウクスブルクの貸本屋さんをはじめます。ドイツ語の勉強に疲れて、ひさびさに日本語に触れたいなと思っているアウクスブルク(あるいは南ドイツ)在住の方々に、ドイツでぼくの持ってる小説や本をお貸しします。以下がリスト。希望があれば、コメント下さい。まだぼく自身も未読な本もあるので、とりあえず相談くださいな。(「貸出中」などの情報は、随時このページを更新していきます)

貸出規約:アウクスブルク在住の方(南ドイツ在住の方、要相談)、ぼくの個人的な知り合いの方、あるいは知り合いの知り合いの方(要相談)

新着本
単行本
喜安朗×成田龍一×岩崎稔『立ちすくむ歴史—E・H・カー『歴史とは何か』から50年』せりか書房、2012年
土肥恒之『西洋史学の先駆者たち』中央公論新社、2012年
『世界遺産に行こう』Gakken、2011年

文庫
(予約)宮本輝『にぎやかな天地』上・下巻、講談社文庫

新書
竹下節子『キリスト教の真実―西洋近代をもたらした宗教思想』ちくま新書

小説
単行本

宮本輝 『宮本輝全短篇』上・下巻、集英社
ポール・オースター、柴田元幸訳『オラクル・ナイト』新潮社
ポール・オースター、柴田元幸訳『幻影の書』新潮社

文庫
川上弘美『真鶴』文春文庫
川上弘美『ざらざら』新潮文庫
川上弘美『どこから行っても遠い町』新潮文庫
志賀直哉『暗夜行路』新潮文庫
宮本輝『流転の海』新潮文庫
宮本輝『地の星: 流転の海 第二部』新潮文庫
宮本輝『血脈の火: 流転の海 第三部』新潮文庫
宮本輝『天の夜曲: 流転の海 第四部』新潮文庫
村上春樹『羊をめぐる冒険』上・下巻、講談社文庫(ドイツ語版あり)
村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』上・下巻、講談社文庫
村上春樹『スプートニクの恋人』講談社文庫(ドイツ語・英語版もあり)
村上春樹『国境の南、太陽の西』講談社文庫(ドイツ語版あり)
村上春樹『海辺のカフカ』上・下巻、新潮文庫(ドイツ語版、雑誌『少年カフカ』もあり)
ジョン・アーヴィング、中野圭二訳『ホテル・ニューハンプシャー』上下巻、新潮文庫
ダン・ブラウン、越前敏弥訳『ダ・ヴィンチ・コード』上・中・下、角川文庫
ダン・ブラウン、越前敏弥訳『天使と悪魔』上・中・下、角川文庫

ミラン・クンデラ、菅野昭正訳『不滅』集英社文庫
W.フォークナー、加島祥造訳『八月の光』新潮文庫

その他
単行本

池澤夏樹『春を恨んだりはしない―震災をめぐって考えたこと』中央公論新社
内田樹・釈徹宗『現代霊性論』講談社
内田樹『街場の読書論』太田出版
内田樹×中沢新一×平川克美『大津波と原発』朝日新聞出版
徳川林政史研究所編『徳川の歴史 再発見 森林の江戸学』東京堂出版、2012年
村上春樹『シドニー!』文藝春秋
村上春樹編集長『少年カフカ』新潮社
村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです―村上春樹インタビュー集1997-2009』文藝春秋
浅野拓・毛内ヒロやす『富山しあわせ勝負―21世紀へのシナリオ』富山県、1991年
椎名誠『岳物語』集英社、1985年
鈴木紀夫『大放浪―小野田少尉発見の旅』文藝春秋、1974年

文庫
網野善彦『日本の歴史をよみなおす(全)』ちくま学芸文庫
川上弘美『書評集・大好きな本』文春文庫
佐藤亜紀『外人術:大蟻食の生活と意見~欧州指南編~』ちくま文庫
柴田元幸、沼野充義、藤井省三、四方田犬彦編『世界は村上春樹をどう読むか』文春文庫
徳永康元『ブダペストの古本屋』ちくま文庫
藤原新也『黄泉の犬』文春文庫
町山智浩『アメリカが最もバカだった4年間 底抜け合衆国 2000~2004』ちくま文庫
宮本常一『山に生きる人びと』河出文庫
村上龍『対談集・存在の耐えがたきサルサ』文春文庫
米原万里『他諺の空似―ことわざ人類学』光文社文庫
米原万里『打ちのめされるようなすごい本』文春文庫
サン・シモン、青木薫訳『フェルマーの最終定理』新潮文庫
マイケル・ギルモア、村上春樹訳『心臓を貫かれて』上下巻、文春文庫

成瀬治『近代ヨーロッパへの道』講談社学術文庫
宮崎市定『アジア史概説』中公文庫
石寒太『山頭火』文春文庫
陳舜臣『北京悠々館』講談社文庫
ジェームズ・カーン(広瀬順弘訳)『グーニーズ』角川文庫
ヴェルナー・ゾンバルト、金森誠也訳『恋愛と贅沢と資本主義』講談社学術文庫
フェルナン・ブローデル、金塚貞文訳『歴史入門』中公文庫
ジャック・アタリ、斎藤広信訳『1492 西欧文明の世界支配』ちくま学芸文庫

マックス・ヴェーバー、大塚久雄訳『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波文庫

新書
(予約)阿部謹也『物語 ドイツの歴史―ドイツ的とは何か』中公新書
石井正『世界を変えた発明と特許』ちくま新書
池澤夏樹編『本は、これから』岩波新書
池内紀『人と森の物語―日本人と都市林』集英社新書
磯田道史『武士の家計簿―「加賀藩御算用者」の幕末維新』新潮新書
大澤真幸『不可能性の時代』岩波新書
川北稔『イギリス近代史講義』講談社現代新書
菊池良夫『警察の誕生』集英社文庫
(貸出中)坂井栄八郎『ドイツ史10講』岩波新書
佐々井秀嶺『必生 闘う仏教』集英社新書
釈徹宗×内田樹×名越康文『現代人の祈り―呪いと祝い』サンガ新書
瀬戸口明久『害虫の誕生―虫からみた日本史』ちくま新書
(貸出中)藤木久志『中世民衆の世界―村の生活と掟』岩波新書
『日本の論点』編集部編『10年後の日本』文春新書(2005年刊)
仲正昌樹『日本とドイツ 二つの戦後思想』光文社新書
仲正昌樹『日本とドイツ 二つの全体主義 「戦前思想」を書く』光文社新書
杉山正明『モンゴル帝国の興亡 上』講談社現代新書
山本七平『日本資本主義の精神―なぜ、一生懸命働くのか』光文社カッパ・ビジネス

ドイツ関連書籍
魚住昌良『ドイツ―古都と古城と聖堂』山川出版社、2002年
踊共二『ふくろうの本・図説 スイスの歴史』河出書房新社、2011年
(貸出中)大西健夫/U.リンス編『ドイツの統合―分断国家から普通の国へ』早稲田大学出版部、1999年
大西健夫編『ドイツの経済―社会的市場経済の構造』早稲田大学出版部、1992年
田中敏/W.E.シュレヒト『和文独訳のサスペンス―翻訳の考え方』白水社、1991年
旅名人ブックス『ドイツ・バイエルン州―中世に開花した南ドイツの都市物語』日経BP、1999年
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by schembart | 2012-07-31 23:45 | アウクスブルクの貸本屋 | Comments(0)
土曜日、なんちゃって山岳狂会アウクスブルク部隊は、なんちゃってホームマウンテンのひとつ、ヨッホベルク(Jochberg)に登ってきました。2010年夏、そして冬のヨッホベルクに引き続き、ぼくにとっては3度目のヨッホベルクです。

午後から嵐が来るという予報があり、駆け足で登り始めます。勾配の厳しい山道をぐんと登ります。
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登頂ー! 山頂の十字架。
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ヨッホベルクは人気の山なので、山頂には家族連れやカップルなどの先客がたくさん。牛の姿も。
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パラグライダーの姿も。風にうまく乗れる人と、なんども繰り返し失敗する人がいました。一発で風を読み、空に飛び立つおじさん。登山客ギャラリーからも喝采が。
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嵐が襲ってくる前に、下山です。急げ急げ。
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雨がぱらつき始めると同時に、ヴァルヘン湖に到着。ごろごろも聞こえてきました。バス停脇のカフェ・レストランまで湖畔を早足で急ぎます。バスの時間までカフェで待機。ビールで一息ついたところで、空は一気に暗くなり、ごろごろの音も大きくなります。風が強くなり、湖も波打ちはじめ、大粒の雨が降ってきます。30分ほどで、嵐は過ぎ去っていきました。絶妙なタイミング。山の中で嵐に降られていたら…、と思うとぞっとします。アウクスブルクに戻って、町中のイタリアン・レストランへ。おいしいピザでお腹もいっぱい。
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by schembart | 2012-07-30 06:39 | 登山 | Comments(0)
André Kirchhofer, Daniel Krämer, Christoph Maria Merki, Guido Poliwoda, Martin Stuber, Stephanie Summermatter (Hgg.): Nachhaltige Geschichte. Festschrift für Christian Pfister, Zürich: Chronos Verlag 2009.
『持続する歴史—クリスティアン・プフィスター記念論文集』

気候史研究で著名なスイスのベルン大学経済・社会・環境史講座クリスティアン・プフィスター教授(Prof. em. Dr. Christian Pfister)の65歳誕生日及び退官記念論文集。19本の寄稿論文が収録されております。以下が目次。

******

Bruno Messerli
Christian Pfister, der Begründer der Schweizerischen Klima- und Umweltgeschichte
クリスティアン・プフィスター、スイス気候・環境史研究の創設者

André Holenstein
Grussworte zum Geburtstag und Abschiedsworte zur Emeritierung von Christian Pfister
クリスティアン・プフィスター誕生日及び退官記念の祝辞

Rolf Peter Sieferle
Der Gegenstand der Umweltgeschichte
環境史の対象

Klimageschichte
気候史


Mariano Barriendos
Historical climatology in Spain. Conceptual and methodological renovation in view of the challenges of the climate change
スペインにおける歴史気候学:気候変動の課題から見る概念および方法論の刷新

Rudolf Brázdil
Historical climatology and its contribution to climate reconstruction in Europe
ヨーロッパにおける歴史気候学と気候再構成への貢献

Heinz Wanner, Martin Grosjean, Jürg Luterbacher, This Rutishauser, Roland Widmer
Die Kleine Eiszeit – mögliche Gründe für ihre Entstehung
小氷期—その発生に関する可能性のある諸原因

Dennis Wheeler
British Ships’ logbooks as a source of historical climatic information
歴史上の気候情報に関する資料としての英国船航海日記

Naturkatastrophen
自然災害


Andrea Janku
What Chinese Biographies of Moral Exemplars Tell Us about Disaster Experiences (1600–1900)
中国の道徳説話伝記が災害の経験について私たちに語ること(1600~1900年)

Christof Mauch
Silberstreifen. Naturkatastrophen und Fortschrittsoptimismus in der amerikanischen Geschichte
一筋の光明。アメリカの歴史における自然災害と進歩楽観主義

Franz Mauelshagen
Keine Geschichte ohne Menschen. Die Erneuerung der historischen Klimawirkungsforschung aus der Klimakatastrophe
人間のいない歴史はない。気候災害からの歴史気候作用研究の更新

Guido Poliwoda
Aus Katastrophen lernen in Zeiten der sich beschleunigenden Moderne
加速する近代という時代において災害から学ぶ

Regionalgeschichte als «histoire totale»
「トータルヒストリー」としての地域史


Beat Brodbeck
Aktenbildner als Akteure sichtbar machen. Die online-Datenbank «Quellen zur Agrargeschichte»
関与者を可視化させる文書作成者。オンライン・データベース「農業史史料集」

Hans-Rudolf Egli, Daniel Salzmann
Landschaft als historische Quelle. Das Beispiel des bernischen Seelandes
歴史資料としての景観。ベルンの湖畔地方の事例から

Daniel Flückiger, Martin Stuber
Vom System zum Akteur. Personenorientierte Datenbanken für Archiv und Forschung
システムから関与者へ。文書館と研究のための個人に即したデータバンク

Verena Winiwarter
Regionalgeschichte als «Histoire totale»
「トータルヒストリー」としての地域史

Verkehrs- und Energiegeschichte (1950er Syndrom)
交通・エネルギー史(1950年代症候群)


Juri Jaquemet, Benedikt Meyer
Take-off, Turbulenzen, Langeweile. Die Entwicklung der Zivilluftfahrt seit dem Zweiten Weltkrieg
離陸、動揺、退屈。第2次世界大戦以来の民間航空の展開

Ueli Haefeli, Ruth Kaufmann-Hayoz
Aufwachsen mit dem Auto. Das 1950er-Syndrom und die Mobilität von Kindern
自動車と一緒に成長する。1950年代症候群と子供たちの流動性

André Kirchhofer, Jonas Steimann
Staatsintervention oder Wettbewerb? Ordnungspolitische Paradigmen im Schweizer Eisenbahnwesen seit 1852
国家の介入か競争か? 1852年以来のスイス鉄道における秩序政治的枠組み

Christoph Maria Merki
Epochenschwellen in der Wirtschafts-, Sozial- und Umweltgeschichte. Plädoyer für eine zeitliche Erweiterung von Pfisters «1950er Syndrom»
経済・社会・環境史研究における新たな時代の開始。プフィスターの「1950年代症候群」論の時代的拡張への賛成表明

Anhang
付録

Lebenslauf von Christian Pfister
クリスティアン・プフィスターの履歴
Werkverzeichnis
作品一覧
Betreute Habilitationsschriften und Dissertationen
教授資格論文および博士論文指導一覧
Betreute Lizentiats- und Masterarbeiten
修士・マスター論文指導一覧

******

プフィスターのこれまでの研究活動・成果にしたがって、本書も大きく、1.気候史、2.自然災害、3.トータル・ヒストリーとしての地域史、そして4.交通・エネルギー史(1950年代症候群)の4部に分かれております。第4部の1950年代症候群について以外は、いずれもぼく自身の研究にも関わる分野です。当該分野で先頭を走ってきたプフィスターの業績は、彼の後任としてベルン大学経済・社会・環境史講座の教授をつとめるクリスティアン・ローア(Prof. Dr. Christian Rohr)の災害史研究と同時に、やはりしっかりと押さえておかないといけません。とくに、「トータルヒストリー」としての地域史は、地域に即した環境史研究とも相通じる議論だと思うので、しっかりと吸収・消化したいところです。気候史研究や災害史研究については、こちらこちら、あるいはこちらこちらもご参照くださいな。

ちなみに表題「持続する歴史」というのは、プフィスターの研究姿勢やその成果が、その同僚やお弟子さんたちにしっかりと受け継がれていることも意味しているようです。付録に収録された、プフィスターの指導を受けた研究者の一覧を見ると、それも頷けます。新しい研究分野に挑み、歴史学界に対して新しい問題を提起し続け、なおかつ、教育にも力を注いできたプフィスターの研究者・教育者としての誇り、それに対する同僚、お弟子さんたちの尊敬の念が伝わってくる素敵な記念論文集です。こういう記念論文集、ぼくは大好きなのです。
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by schembart | 2012-07-27 00:54 | 文献紹介 | Comments(0)

お城めぐり

今回は、お城めぐりシリーズ、リンダーホーフ城(Schloss Linderhof)に行ってきました。オーバーアマガウ(Oberammergau)でいきなりのバス待ち2時間。その間に、レストランでお昼ご飯をいただきます。ぼくはビールとチーズバーガーでお腹いっぱい…。
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予報通りパラパラ雨が降り出す中、バスに乗ってリンダーホーフ城まで。かつて外観だけはみたことがありましたが(こちらを参照)、今回はちゃんとお城のなかを見学することに。ルートヴィヒ2世が好きそうな豪華絢爛なお部屋を見て回ります。内部は写真撮影禁止のため、おとなしく見学。人口の洞窟(Grotte)も回ってきました。庭も綺麗にお花で飾られて、山の自然の花々とはまた違った魅力を見せてくれます。ぐるりとお城を観賞し終えたころ、天気も良くなりました。太陽も顔をだしてくれました。スナップショットでご紹介。
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帰りのバスに乗り込むと、ざーざー大雨が。ミュンヘンまで帰って、またまた匠。今回は札幌の塩とキリンビール。美味しかったー。
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by schembart | 2012-07-23 01:49 | 登山 | Comments(0)
Wolfgang Kunz, Gipfelkreuze in Tirol. Eine Kulturgeschichte mit Gegenwartsbezug, Wien u. a., 2012.
『ティロルの山頂の十字架:現代につながるとある文化史』

先日の合宿登山のさいに、ホテルの売店で購入した本がとても面白かったので、ご紹介します。山頂の十字架(Gipfelkreuze)の文化史。一般向けの書物で、非常に読みやすく、とても興味深い内容です。著者のヴォルフガング・クンツ氏については、こちらのホームページを参照。サイトにも面白い内容がたくさん掲載されてるみたいですので、いつか時間を見つけて覗いてみようと思います。

まずは目次から。

*****

1. Einleitung
はじめに


2. Vom kulturellen Umfeld der Gipfelkreuzsetzungen
山頂の十字架設置の文化的環境

2.1. Alpinismus
アルピニズム
2.2. Religion
信仰
2.3. Säkularisierung
世俗化

3. Kulturgeschichte des Gipfelkreuzes
山頂の十字架の文化史

3.1. Die frühen Gipfelkreuze aus der Zeit um 1800
1800年ころの初期の山頂十字架
 3.1.1. Von Bittprozessionen und Gletscherkreuzen
 祈願行列と氷河の十字架
 3.1.2. Die frühen Gipfelkreuze
 初期の山頂十字架
 3.1.3. Ausgewählte frühe Gipfelkreuzsetzungen
 諸事例:初期の山頂の十字架設置
3.2. Gipfelkreue der ersten Hälfte des 20. Jahrhunderts und die Heimkehrerkreuze
20世紀前半の山頂十字架と帰還兵のための十字架
3.3. Gipfelkreuzsetzungen der zweiten Hölfte des 20. Jahrhunderts bis heute
20世紀後半から今日までの山頂の十字架設置

4. Typologie der Gipfelkreuze
山頂の十字架の類型化

4.1. Unterscheidung nach Motivkategorien
動機に基づく区分
 4.1.1. Gedenkkreuze
 追悼十字架
 4.1.2. Freudschaftskreuze
 友好十字架
 4.1.3. Die Kreuzsetzung aus ästhetischen Gründen
 審美的理由による十字架設置
 4.1.4. Dankeskreuze
 感謝十字架
 4.1.5. Der Ersatz von Gipfelkreuzen
 山頂の十字架の補充
4.2. Unterscheidung nach Personenkategorien
(設置した)人に基づく区分
 4.2.1. Privat- oder Einzelpersonen als Aufsteller von Gipfelkreuzen
 山頂の十字架作成者としての私人・個人
 4.2.2. Vereinskreuze
 協会による十字架

5. Das Gipfelkreuz als Kulturphänomen. Weitere Aspekte
文化的現象としての山頂の十字架:さらなる視点

5.1. Die unterschiedlichen Konjunkturen der Gipfelkreuzsetzungen im Vergleich
山頂の十字架設置のさまざまな流行比較
5.2. Strukturelle Entwicklungen unserer Gesellschaft und Kultur als mögliche Erklärungsmuster für eine Konjunktur der Gipfelkreuzsetzungen
山頂の十字架設置の流行に関する説明可能モデルとしての社会と文化の構造的展開
5.3. Die Trennung des Hergestellten vom Hersteller
作品の作成者からの分離

6. Buddhistische Zeichen des Glaubens auf den Gipfeln im Raum Tirol
ティロルの山頂における仏教信仰のしるし


7. Zeichen der Ablehnung von Gipfelkreuzsetzungen
山頂の十字架設置の拒絶のしるし


8. Schlusswort
おわりに


9. Abbildungsverzeichnis
挿絵一覧

10. Bibliografie
文献目録

*****

山頂の十字架にはどのような意味があるのか? 天上に近い場所にキリスト教信仰の標たる十字架を置く。一見すると、これは納得のいく説明であるかのうように感じられるかもしれません。でも、目次からもうかがい知れるように、この問いへの答えはそれほど単純なものではありません。少なくとも、キリスト教、アルペン主義、世俗化という3つの歴史的な背景を把握しておく必要がありそうです。たとえば、初期の十字架設置は、アルペン主義、世俗化という時代背景のなかで行われました。キリスト教信仰が人々の生活から徐々にその影響力を低下させていくなかで、まさにその時期にこそ、それを憂いたひとびとによって十字架設置が活発に行われた、という事情もあるようです。その意味で、数多くの山頂の十字架は、「信仰心のしるし」であるばかりでなく、「信仰心の薄れのしるし」でもある、と著者は言っています。なるほど。

今日的な意味でより興味深かったのは、第7章で展開される「十字架の拒絶」をめぐる問題です。たとえば2005年、ティロルの多くの場所で山頂の十字架が何者かの手によって撤去・破壊されるというニュースが地元の新聞をにぎわせました。その背景には、自然を自然のままで受け入れ、あらゆる人間の干渉を拒否するのを良しとする原・自然主義とも呼びうる「思想」があるようです。どのような意図があるにせよ、そしてそれが誰によって設置されたにせよ、山頂の十字架設置は、自然に対する人間の干渉を意味する、というわけです。エコ主義者とアンチ・エコ主義者との相克を描くヨアヒム・ラートカウの大著『自然と権力』(みすず書房からついに邦訳が発売されたみたいです! 次に日本に帰国したら手に取ってみないといけません)を彷彿とさせる重大な問題を孕んでいるように思います。

個人的にもっともっと興味深かったのが、この「十字架の拒絶」の舞台の一つが、ぼくらなんちゃって山岳狂会の夏合宿二日目の目的地ガムスヨッホであった点です。2004年、エングのアルペンホテルの女主人マルギット・コフラーさんは、みずからの50歳の誕生日を祝って、ガムスヨッホの山頂に十字架を設置する計画を立てました。当計画は、ドイツ・アルプス協会やオーストリア連邦軍の協力もあって順調に進められ、360キロにも及ぶ大きな十字架がガムスヨッホの頂上に設置されました。十字架設置記念式には、地元の人々に加え、オーストリア連邦軍、森林管理局、登山救援隊からもおおくのお客さんが訪れたようです(本書、109頁以下)。

十字架設置から1年と少しの2005年の夏、ガムスヨッホの十字架は、何者かの手によって解体され、谷の下へと投げ出されてしまいます。数日後、警察のヘリコプターが谷底で破壊された十字架を発見し、「救助」して、ホテルまで持ち帰りました。コフラーさんらは、どうしたものかと思案した結果、ようやく去年、あらたに十字架を設置しなおすことに決心したようです(本書、211頁)。なんちゃって山岳狂会の会長から聞いた話では、ここには数年前からロープウェイ設置の計画があり、十字架設置はそのための布石でもあったようで、それに反対する人物によるデモンストレーション的行為だったのではないか、ということです。ロープウェイをめぐる記述は本書には見つかりませんが、2011年の夏の登山では小さな木製の十字架らしきものしかなかったのには、こういった背景があったのですね。

2011年7月16日、ガムスヨッホ頂上
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2012年7月8日、ガムスヨッホ頂上
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十字架には、2004年寄贈と書いてあります
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by schembart | 2012-07-17 19:46 | 文献紹介 | Comments(0)

お花編

古城址めぐり、お花編です。
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by schembart | 2012-07-17 00:21 | 登山 | Comments(0)

古城址めぐり

先日のなんちゃって山岳狂会は、古城址ファルケンシュタイン(Falkenstein)に行ってきました。ドイツで一番標高の高い位置にある古城址です。ドイツとオーストリア(ティロル)の国境あたり、プフロンテン(Pfronten)とフィルス(Vils)の合間に位置します。

この古城は、あのルートヴィヒ2世が購入し、ノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホーフ城、ヘレンキーム湖城に次ぐ、第4のお城を構想したことで有名です。新白鳥城風のロマンティックなお城建築が計画されました。でも結局、資金難のため、計画は実行されることなく、かつての古城址がそのままの形で残り、現在にいたるというわけです。

もともとファルケンシュタインは、1280~90年ころに、ティロル伯マインハルト2世によって建立されたようです。その後、アウクスブルク司教に譲渡され、司教代官の居住地になりました。山の上という地理的に極端な位置にあるので、冬には無人となることも多かったとのこと。1582年に司教代官の拠点がプフロンテン・リート(Pfronten-Ried)に移され、その後古城は無人のまま放っておかれました。30年戦争の終わりころ(1646年)には、進軍してくるスウェーデン軍による占拠、拠点化を避けるため、古城にはあらかじめ火が入れられたようです。結局、スウェーデン軍が進路を変更したため、自らの手によるお城の取り壊しは、無意味に終わりました(ウィキペディアより)。

そんな古城址ファルケンシュタインへ。プフロンテン・シュタイナハの駅から出発です。天気は曇り、でも歩いてると、青空も見えてきました。
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上から見下ろすフィルス川と都市フィルス。こんなに小さくても、1327年に都市法(Stadtrecht)を授与されて以来、法制度上はれっきとした「都市」であります。住民数は、かつては500名に満たず、現在でも1500人程度。「都市」の多様性を物語る格好の事例です。
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古城址までは、あと少し。途中でマリア様の像を拝み、上を目指します。
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見えてきました。古城址。
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ルートヴィヒ2世の胸像。
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のんびりと下山します。
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フィルス川。
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ミュンヘンまで戻り、久方ぶりの匠。ラーメンがおいしかった。
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by schembart | 2012-07-15 20:37 | 登山 | Comments(0)

合宿登山 お花編

お花編です。
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by schembart | 2012-07-14 02:15 | 登山 | Comments(0)

登山合宿二日目

合宿二日目(日曜日)。フェーンで絶好の登山日和になりそうです。朝食では、隊員の誕生日のお祝いも。登山の成功を願って、朝からたくさんご飯を食べます。ケーキもおいしかったです。
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天気は、フェーンの関係で、まさに絶好の登山日和です。目指すは、あのガムスヨッホ(Gamsjoch)。念願のエーデルワイスは見られるでしょうか? さっそく出発です。
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いきなりの心臓破りの傾斜です。
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渓流越え。
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カモシカ(Gams)たちもたくさんいました。
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峠に到着。ちょっと休憩。
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まだまだ上を目指します。このあたりから、エーデルワイスの群生地。
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お昼休憩中のなんちゃって山岳隊。
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さらに上へ。
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ようやく頂上へ!
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いわくつきの新しい十字架(Vgl. Wolfgang Kurz, Gipfelkreuze in Tirol. Eine Kulturgeschichte mit Gegenwartsbezug, Wien 2012, S. 211f.)。これについては、また後日、ブログでご紹介します。乞うご期待。
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のんびり下山。二日連続のがっつり登山で、さすがに足も痛い。
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ようやくホテルに帰還。
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ご飯を食べて、帰宅します。大満足の合宿登山となりました。お花編は、また次回。
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by schembart | 2012-07-13 18:16 | 登山 | Comments(0)

合宿登山一日目

先週末はなんちゃって山岳狂会の夏合宿でした。ドイツ滞在中の会長も久しぶりの参加です。心強い。ベースキャンプは、ティロルの山岳村エング(Eng)。カエデ台地(Ahornboden)にあるアルペン・ホテルです。金曜は移動日。
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エングの村を散歩して、ホテルで美味しいご飯を食べて、明日以降の登山に備えます。

合宿登山一日目(土曜)。天気はあいにくの曇り。目指すは、ラムゼンシュピッツ(Lamsenspitze, 2508m)です。白い霧のなかを、登っていきます。
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ラムゼンヨッホ小屋(Lamsenjoch-Hütte, 1980m)を通り過ぎ、さらに上を目指します。
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行く手を巨大な雪の塊に遮られます。岸壁の下でお昼ご飯。
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ようやく霧も晴れてきました。
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さて雪塊をどう抜けるか? ここで、雪を迂回して上を目指す隊と、これ以上は無理、下の小屋で暖かいスープ飲んで待ってる隊に分かれます。ぼくは、後者を選択。去年の合宿と同じパターン。ぼくはビールも忘れずに注文します。
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上を目指した隊は、難所を向けたのちに、霰に降られ、登頂は断念して帰還してきました。ラムゼンシュピッツ登頂は、容易じゃありません。天気も悪かった。残念。
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二日目の晴天を祈りつつ、行きは雲の中だった景色を堪能しながら下山します。
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ようやく下山、という目の前で、大粒の雨が。でも太陽も出てて、なんだか神秘的な雰囲気。
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ホテルの蒸気サウナで体を休め、夜ご飯はエング村の端っこのレストランに。いっぱい食べて、ホテルに帰って、早めにベットに入り、翌日の登山に備えます。続きは、次回。
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by schembart | 2012-07-12 16:16 | 登山 | Comments(0)