中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

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2012年も暮れていきます。昨日はなんちゃって登山の登り納めでミッテンヴァルトのホーアークランツベルクに行ってきました。なんちゃってホームマウンテンのひとつ。例えば、こちら

青空が広がっております。例年に比べると、暖かい年末です。
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クリスマス市の名残も。
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歩き始めます。
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と、言いつつも、冬だったのでリフトが動いていました。
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雪が積もっています。スキー客や橇客。家族連れでにぎやか。日向ぼっこする集団。
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つるつる坂に手古摺りながら、なんとか登頂。
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ちょっと休憩して、別の道から帰ります。
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雲の切れ間から太陽が。
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森の切れ間からも太陽が。
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ラウター湖の畔レストランでビールを飲み、ミッテンヴァルトの町まで降りました。
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2012年のなんちゃって登山。怪我もなく、良かった良かった。安全第一がモットーのなんちゃって山岳狂会は、2013年もなんちゃって登山に挑み続けます。それでは、みなさま、良いお年をお迎えください。

今年の教訓。雷が来たら、迷わずに山を降りるべし。自然をなめてはいけません。たとえ、美しいシュタインボックが出迎えてくれたとしても。
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by schembart | 2012-12-31 19:05 | 登山 | Comments(0)

研究会報告のお知らせ

来年1月に社会経済史学会の九州部会にて、研究報告をさせていただけることになりました。ホームページでも案内が公表されたので、当ブログでも宣伝させてもらおうと思います。日本の西洋史研究(とくに中近世の社会経済史分野)を長らく牽引されてきた九州の地で口頭報告の機会をいただけるのは誠に光栄なことです。恥ずかしくない報告をしたいと思っております。

九州部会のホームページは、こちら

追記:経営史学会・西日本部会と合同部会となりました。こちら

*****
社会経済史学会 九州部会
2013年度1月例会予定(敬称略)

日時 2013年1月26日(土)14時~18時
場所 福岡大学(六本松セミナーハウス A室)

報告1
渡邉 裕一(早稲田大学大学院/アウクスブルク大学歴史学部 博士候補生)
「16世紀後半アウクスブルクにおける都市の森林政策—森林書記の会計簿を手掛かりに(1563-1607年)」

報告2
本山 聡毅(熊本県商工会連合会)
「自動車製造企業の輸入記録分析と星子勇の軍需転換工場構想」
*****

報告の要旨をリサーチマップにアップしておきました。ご関心のある方は、どうぞご笑覧いただければ幸いです。あと一か月で、じっくりと報告内容を詰めて行きたいと思います。

報告要旨は、こちら
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by schembart | 2012-12-27 20:18 | 研究 | Comments(0)

人力の世界

突飛な話に思われるかもしれませんが、人類の長い歴史のなかで、主なエネルギー源・動力源は、「人間」そのものでした。人力の世界。「ハンドパワーです」。今だって、人力がいちばん身近な動力源であることに変わりありません。電力会社が作成しているような「エネルギーの歴史」のなかでは、まったく触れられておりませんが、確かな事実ですし、重要な認識だと思います。発想として。「人力の世界」。

ぼくの大好きな村上春樹さんが、スポーツジムの自転車で発電できるようにして、自分で発電した分だけポイント還元とかしてくれたらいいのにね、だとか、青少年少女のあまり余った性欲を(どうにかして)発電に回せないか、だとかそんなおとぼけたことをどこかで言っていましたが、そういう発想って面白いですよね。ジムでの自家発電は、なんとすでに試験的に行っているところもあるようです。「人力発電の世界」。

脱原発のデモだって、わーわーするのも良いかもしれませんが、集まったみんなで小型の人力発電機片手にもくもくと発電してみせたら良いのに、なんて思います。「脱原発・人力発電デモンストレーション!」。

それはそうと、今話題の(というか、ずっと前から話題だったけど、というかもう話題でもないのかもしれないけれど)ツイッターに手を出そうかどうか、今更ながらに迷っています。もともと独り言はあんまり言わないし…。でもTwitterで得られる情報もたくさんありそうだし、うーん、うーん、と悩んでいます。「大学の研究室での日常会話」みたいなものだって誰かがおっしゃっていたけど、研究室でもみんなの世間話を傍から聞いてることが多かったしな。

でも、今回のような、あまり意味もない記事は、ツイッターの方があってるかもしれません。うーん。検討してみます。あ、でも、字数制限があるから、やっぱり無理かもしれません。そうだ、クリスマスだし、ゼクトを飲もう。みなさん、良いクリスマスを。
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by schembart | 2012-12-25 04:03 | 留学生活 | Comments(2)
あっという間に年の瀬です。ちょっと早いけど、今年の研究成果と来年の展望を記しておこう。今回でもう4度目です(2009年2010年2011年)。

論文は2本刊行できました。

渡邉裕一「中近世アウクスブルクの木材供給―都市の森林所有とレヒ川の木材流送」『西洋史学』第241号、2011年、1-18頁

渡邉裕一「貧民への木材供与―16世紀アウクスブルクの事例から」『エクフラシス―ヨーロッパ文化研究』(早稲田大学ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所)第2号、2012年、137-152頁


研究会での報告はありませんでしたが、一時帰国時に早稲田のゼミで博士論文の中間報告をさせてもらいました。

2012年4月6日
報告タイトル:「16世紀アウクスブルクにおける森林政策―森林書記の会計簿を史料に
早稲田大学大学院文学研究科 甚野ゼミ
レジュメは、こちら


今年は、これまでの史料調査をもとに、博士論文の執筆をはじめました。2~4月は集中的に、そのあとは3か月に1度のペースで、キースリング先生、シリング先生と三者面談をしていただき、そのつど、新しい章を完成させるよう努力をしてきました。計5回(2月3月4月7月10月)。年明け早々にまた三者面談が予定されているので、いまはそれに向けての原稿つくり。クリスマスは引きこもり。クリスマスは引きこもり。町は静かです。

来年は、1月、2月と日本の研究会で研究報告をさせてもらう予定です。詳細が決まりましたら、またこちらでもご案内します。4月には、オーストリアで開催される国際学会でのポスター報告を申請中です。夏には博士論文を完成させる予定です。必死でがんばらないといけません。

それでは皆さま、良いひきこもりを。あ、間違えた、良いクリスマスを!
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by schembart | 2012-12-24 03:32 | 研究 | Comments(0)

自慢話「一輪車」

小学生の高学年だったか、「一輪車」という題目の絵を書きまして、学校からだっかた、市からだったか、「佳作」の賞をもらったことがありました。照れくさいながらも、とっても嬉しかった記憶があります。一輪車に乗った、なかなか勇ましい自分を描いた絵です。当時のぼくは、どちらかというと(というか、けっこうに)華奢な体格だったのですが、絵の中のぼくは、なんとも勇ましかった。あのころは、一輪車ばかり乗っていました。

小学生のぼくは、じつはなんと、一輪車に乗るのがとっても得意だったのです。バックもできたしジャンプもできました。何回だって。片足走法というのもありまして、片足で一輪車に乗ってスイスイと小学校のグラウンドを何度も何度も周回していました。自慢ですが、片足走法は、みんながみんなできるものじゃなかったのです。あのスイスイと前に進んでいく感じが、なんとも言えずに誇らしくもあったのです。休み時間になると、駆け足で一輪車の取り合いです。楽しかったな。

一輪車は、照れくさいながらも、胸を張って自慢できることのひとつです。もう20年も前の話です。

目の前に一輪車と広大なグラウンドさえあれば、いつだって片足走法に挑戦するのに…。それにしても、やっぱりフラカンは格好良い。


自慢話でした。自慢できること、ほかにも何かあるだろうか?
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by schembart | 2012-12-20 06:08 | 思い出 | Comments(0)
もっといろいろと勉強をしなくちゃいけません。もっともっと根気強く。

ところで、先週の土曜日は、またまたクリスマス市めぐりをしてきました。バイエルンの田舎にあるカルテンベルク城(Schloss Kaltenberg)のクリスマス市へ。かわいらしい、サンタさん。
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カルテンベルクのお城、かわいらしい。
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騎士トーナメントのミニチュア展示。
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ブナの薪で焼いたソーセージ。
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憂う天使。
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晴れました。
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寒いからこそ、ありがたい。グリューワイン。
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ミュンヘン帰って、またまた匠さんのラーメン。今回は担担麺。
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by schembart | 2012-12-17 06:49 | 登山 | Comments(0)
なんちゃって山岳狂会は、くりきん詣を続けています。先日は、国境を越えて、オーストリアまで。ザルツブルクのクリスマス・マーケットへ出かけてきました。ミュンヘンからの電車は、観光客でいっぱい。外は雪。マイナス8度くらいまで気温は下がるらしいです…。
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旧市街はひとだかり。お店は綺麗にクリスマス色に飾られています。
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大聖堂前へ。
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途中で美味しいオーストリア料理レストランへ。グーラシュを。美味しかったー。感激です。
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身体も温まって、もう一度クリスマス広場へ。
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グリューワインも2杯。カップは日本への良いお土産となります。日も暮れかけたので、帰ることに。
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すごいひとだかりで、ぼくは迷子になってしまいました…。なんとか駅で落ち合うことができ、ミュンヘンまで帰ってきて、久方ぶりのラーメンです。匠さん。特製味噌。間違いない。
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by schembart | 2012-12-09 21:00 | 登山 | Comments(2)
ヨアヒム・ラートカウ(海老根剛・森田直子訳)『自然と権力—環境の世界史』みすず書房、2012年

以前にもご紹介しましたラートカウ氏の主著が日本語に翻訳されてみすず書房から刊行されたので、じっくりと読み進めております。ラートカウ氏の業績は、ぼく自身の研究にとっても重要な位置を占めており、ここ数年、時間をかけて発表してきたいくつかの論文も、ラートカウ氏の業績から論を説き起こしました(こちらこちらこちら)。博士論文の課題設定のさいにも、ラートカウ氏の議論を重要な道しるべとして参考にさせてもらいました(こちら)。そんなラートカウ氏の主著『自然と権力』が日本語で読めるようになったのは、なんともうれしいかぎり。ひとりの歴史家が明確な問題意識を持って書き上げた「環境の世界史」として、本書には重要な示唆がたくさん示されています。

同じみすず書房から2007年に刊行されたドロール/ワルテール『環境の歴史―ヨーロッパ、原初から現代まで』が、残念ながら日本の歴史学界で大きな話題とならなかったのは、原著の内容よりも、翻訳の問題が大きかったからだと思います。それに比べ、今回の『自然と権力』は、翻訳も非常に丁寧で、学術上のみでなく、社会的にも重要な価値を有する本書に相応しい丁寧なお仕事となっています。

原著(初版2000年)には収録されていませんが、日本語版では「日本という選択肢」という日本の環境史を論じた書下ろしの新たな一節、それから「フクシマの事故の後に考えたこと、そしていくつかの個人的告白」と題された「日本語版へのあとがき」も加えられており、日本の読者にも読み応えのあるものになっています。

「日本という選択肢」(『自然と権力』164‐179頁)は、それほど多くない数の英語・ドイツ語・フランス語の研究文献にもとづいた論考となっていますが、それでも非常に示唆深い議論が展開されています。日本の環境史における地理決定論の位置づけや、江戸時代の生態学的再評価、現代林業の内外に対する「二重道徳」の問題。いずれも、ヨーロッパや中国との比較を軸に論を進め、いたるところに興味深い指摘がちりばめられています。近代以前の日本の環境史を論じるさいに、主に農民にのみ焦点があてられるのは、ラートカウ自身の問題よりも、これまでの日本の歴史学や民俗学の重要な業績が横文字では入手困難であることに、より大きな問題があるのだと思います。例えば、菅豊『川は誰のものか―人と環境の民俗学』などは、欧米でも紹介・消化されてしかるべき重要な業績なのだと思います。日本史の分野でも、環境史に関する議論は盛り上がっているようですし。

いくつか、興味深い個所をメモ用として引用しておこう。

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とても逆説的に響くけれども、頻繁に起こった都市火災こそが、日本の林業の強力な推進力になったように思われる。ヨーロッパの古い諸都市も、たいてい、その歴史のなかで大火を経験している。しかしながら、日本の都市の大火はきわめて頻繁かつ規則的だったので、(中略)絶えず建築用木材取引の新たな好景気が保証されたのである。(中略)西洋からの旅行者は、ほとんど規則的に繰り返される都市火災を甘受する際に日本人が示す平静さに驚嘆した。「1600年から1900年のあいだに日本の木造の首都に暮らした人々以上に、火災に脅かされた大都市に生きた人間は誰もいないだろう」(クリストフ・ブルマン)。日本の伝統的な哲学が目指したのは、まさしく火災を防ぐことではなく、素早く解体し新たに建て直せるように家屋を簡素に建てることであった。(172‐173頁)

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1989年、当時長崎市長であった本島等は、「宗教と哲学がヨーロッパで占めてきた位置を、日本で数百年前から自然が占めてきたのだ」と、辛辣なニュアンスを含む口調でドイツ人のインタビュアーに説明した。長崎の小学校では「どの校歌も、校舎の裏手の山やその前を流れる小川、そして、その傍らに立つ桜の木を歌う歌詞で始まる」。しかし、その一方で、「誰が責任者で、誰がある事柄を行ったのか」について語られることはない。政治から注意を逸らすものとしての自然、そして人間性への無関心の隠れ蓑としての自然である。(174頁)

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1970年代と80年代に日本はエコロジーにおける先駆け的な国として国際的名声を博したが、それだけになおさら、環境問題に関して日本の対内道徳と対外道徳とのあいだに鋭い違いのあることが明らかになったとき、外国の失望は大きかった。日本は自国内では持続可能な林業に慎重な注意を払っていたが、東南アジアやインドネシアの森林を搾取した際には―みずからの新たな経済的権力にもとづいて—持続可能性にいかなる配慮も払わなかった。すでに朝鮮支配の時代にも、日本は朝鮮の森林を過剰使用したのだった。(中略)すでに明らかな東南アジアの森林の疲弊、該当する国々の木材輸出禁止措置、そして、国際的木材貿易における木材価格の上昇と持続可能性証明書は、日本の森林の価値をあらためて高めることになるだろう。(178‐179頁)

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「日本語版へのあとがき」では、原子力技術が論点となっています。この点は、おそらく新刊書でより詳細に論じられていることでしょう。これもいつか読んでみよう。

ヨアヒム・ラートカウ(海老根剛・森田直子訳)『ドイツ反原発運動小史―原子力産業・核エネルギー・公共性』みすず書房、2012年

環境史研究における時代区分という問題は、ぼく自身にとっても今後じっくりと取り組む必要がある大きなテーマなのですが、ラートカウ氏は、本書のいたるところで、「これが物語(歴史)の結末ではない」、と述べています。環境史における価値判断の問題は非常に難しく、注意が必要なのですが、それでも、環境史における「日本という選択肢」が、世界のほかの地域にとって意味ある選択肢でありうるかどうか。まさしく現在進行中の原発をめぐる選択が、その重要な試金石となるに違いありません(あれ、先日紹介した赤坂さんの著書の結びの言葉と一緒になってしまいました)。
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by schembart | 2012-12-06 23:15 | 読書 | Comments(0)
赤坂憲雄『3.11から考える「この国のかたち」―東北学を再建する』新潮選書、2012年

2011年3月11日、ぼくはドイツにいました。その日は午前中から指導教授のキースリング先生、シリング先生との三者面談が予定されていました。朝起きて、日本で大きな地震が起こったとニュースで知り、よくわからないままに、学生寮の部屋を出て、大学に向かった記憶があります。面談も、日本での大地震の話題から始まりました。でも、まだ震災の全容もぼくらはまったくわからなかったので、すぐに話題はぼくの博士論文の具体的な内容へと移っていきました。晩は、日本人の友人とドイツ人の友人宅を訪ねる予定があり、一緒に晩御飯を食べました。ドイツのニュースでも、日本の大地震、そして大津波について、大きく報道されていました。

夜遅くに帰宅してからというもの、ぼくはインターネット上で得られる情報の渦に身をゆだねることになります。三者面談を終え、月末から一時帰国を予定してたぼくは、当面は緊喫の予定もなかったのです。記憶では、TBSとNHKがU-Streamでのニュース報道のネット中継をすぐに開放していたので、数日間はそれもつけっぱなし、ヘッドホンもつけっぱなしでベットとパソコンの前を行き来しておりました。自分が遠い地にいることに、疾しさみたいなものを感じつつ、何度も続く余震や大津波による被害状況、そして原発に関して逐一と移り変わる状況についての情報だけを、ただただ浴び続ける日々でした。外に出るのも、食料品を買いに行くときだけ。数日後には、アウクスブルクでも反原発のデモが行われるようになりました。なんだか身を隠すようにして、学生寮の部屋に走り帰った記憶もあります。

3月後半に予定していた研究会報告も中止となりました。東京もまだまだ騒然としているから一時帰国は見合わせたらどうか、ということも言われたのですが、その時は東京にどうしても会いたかった人がいたし、ドイツにいてもひとりで朝から晩までずっとネットの前で日本からの悲惨なニュースを見続けて、身も心もくたびれるだけだったから、やはり予定通りに日本に帰ることにしました。東京でも、まだまだ余震が続いていました。桜だけは綺麗に咲いていました。3.11から何を考えたらよいのか、ぼく自身はまだまだわからずにいます。

***

これまで、地域学としての東北学ということをずっと語ってこられた民俗学者の赤坂憲雄さんは、本書で、みずからの東北学の第2章への道をスタートさせています。震災を受け止め、復興を引き受ける。赤坂さんのお仕事は、まさにそういうものだと思います。以下に、本書の最後の個所を引用させてもらいます。ご関心のある方は、鷲田清一さんとの対談『東北の震災と想像力 われわれは何を負わされたのか』(講談社、2012年)ともども、ぜひ読んでみてください。

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東日本大震災の被災地には、この入会地の思想が再構築のうえで導入されるべきだ、と考えてきた。山野河海という巨大な自然の領域を分割し、個人の所有に帰してきた近代の開発の論理が、限界をさらしているのではないか。いまはまだ、夢想のかけらに留まるが、五十年後の未来に避けがたくやって来る八千万人の日本列島にとっては、それこそがリアルなシナリオとして認知される日が訪れてほしい。海岸線をめぐって、わたしたちはいやおうもなく、人と自然との境界領域を根底から再編することを求められている。役に立たぬ巨大な堤防を造り、耕す人のいない水田地帯を復元している余裕など、この国にはすでにない。目先の利益を追う者たちに、「この国のかたち」の将来デザインを委ねることはできない。原発をめぐる選択は、その試金石となるにちがいない。(本書、197頁)
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ちなみに、赤坂さんも参加されたシンポジウムは、こちら
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by schembart | 2012-12-03 07:31 | 読書 | Comments(0)
先日のなんちゃって山岳狂会は、冷え込みの厳しいなか、オーバーバイエルン、グレントライテン野外博物館(Freilichtmuseum Glentleiten)のクリスマス・マーケットに行ってきました。寒かったー。写真を少々ご笑覧ください。
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とはいえ、まずは腹ごしらえから。
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家庭用のクリスマス・ツリー。販売用。
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パン焼き釜。
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民家の前には、薪が積まれております。暖炉・薪ストーブは、体温だけでなく、人の心も温めてくれます。
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クリスマス・リース。
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展示民家のひとつ。
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機織り機。
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子供たちの手工業体験。
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匠の技。格好良い。
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火酒。リキュール。
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それにしても寒かった…。
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夜はミュンヘンで、ドイツの自然を撮ったドキュメンタリーDVDを観賞しながら、タイカレー、押し寿司で暖かな美味しい晩御飯をいただいてきました。冷え込みが厳しくなりましたが、どうぞみなさま、風邪にはお気を付けください。
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by schembart | 2012-12-02 20:50 | 登山 | Comments(0)