宗教改革の論文集
2009年 05月 26日
森田安一編『ヨーロッパ宗教改革の連携と断絶』教文館、2009年
はしがき カルヴァン生誕500年を迎えて 森田安一
Ⅰ ヨーロッパ宗教改革の連携と断絶
1 ルター派形成過程における連携と断絶 野々瀬浩司
2 宗教改革急進派 踊 共二
3 カルヴァン派の展開 和田光司
4 ブリテンにおける1534年と1560年 富田理恵/山本信太郎
5 長期の宗教改革運動 西川杉子
Ⅱ 宗教改革の諸相
6 再洗礼派による「ゲマインデ」形成 早川朝子
7 ドイツ宗教改革における公会議論の展開について 渡邊伸
8 ドイツ・スイス福音派の連携と断絶 岩倉依子
9 宗教改革期アウクスブルクにおけるフッガー家 栂香央里
10 イングランド宗教改革初期における亡命福音主義者への接近 山崎かおる
11 16世紀ルッカの「異端者」と政治エリート 高津美和
Ⅲ 宗教改革の展開
12 純正ルター派と《言論の自由》 蝶野立彦
13 近世都市ケルンの参事会と「にせ巡礼」 高津秀之
14 宗教改革期における女子教育の理念と実践 櫻井美幸
15 リチャード・フッカーと伝統 青柳かおり
16 神学領域における宗教改革研究 村上みか
(各論文の副題は省略してあります)
以前にぼくも報告させてもらった「宗教改革史研究会」のメンバーがそれぞれに論文を持ち寄って編まれた論文集です。歴史学の分野で宗教改革にかんする論文集としては、数十年ぶりの成果だと思います。その間の研究の蓄積と深化がはっきりと反映されており、目次を見ただけでも、どの論考も読み応えがありそうでわくわくします。
ありがたいことにご恵与いただいたので、ひとつひとつ大切に読み進めていきたいと思います。
宗教改革史を勉強しようと思う学生や大学院生にとっては、これまた近年刊行されたロバート・W・スクリブナー/スコット・C・ディクソン、森田安一訳『ドイツ宗教改革』(岩波書店、2009年)とともに、まず第一に参照されるべき研究成果であると思います。