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2017年4月から福岡大学人文学部歴史学科で西洋史を担当してます。


by schembart

宗教改革の論文集

宗教改革に関する最新の論文集が刊行されました。

森田安一編『ヨーロッパ宗教改革の連携と断絶』教文館、2009年

 はしがき カルヴァン生誕500年を迎えて   森田安一
 Ⅰ ヨーロッパ宗教改革の連携と断絶
  1 ルター派形成過程における連携と断絶  野々瀬浩司
  2 宗教改革急進派                踊 共二
  3 カルヴァン派の展開              和田光司
  4 ブリテンにおける1534年と1560年    富田理恵/山本信太郎
  5 長期の宗教改革運動             西川杉子
 Ⅱ 宗教改革の諸相
  6 再洗礼派による「ゲマインデ」形成     早川朝子
  7 ドイツ宗教改革における公会議論の展開について 渡邊伸
  8 ドイツ・スイス福音派の連携と断絶     岩倉依子
  9 宗教改革期アウクスブルクにおけるフッガー家 栂香央里
  10 イングランド宗教改革初期における亡命福音主義者への接近 山崎かおる
  11 16世紀ルッカの「異端者」と政治エリート 高津美和
 Ⅲ 宗教改革の展開
  12 純正ルター派と《言論の自由》       蝶野立彦
  13 近世都市ケルンの参事会と「にせ巡礼」 高津秀之
  14 宗教改革期における女子教育の理念と実践 櫻井美幸
  15 リチャード・フッカーと伝統          青柳かおり
  16 神学領域における宗教改革研究      村上みか
  (各論文の副題は省略してあります)

以前にぼくも報告させてもらった「宗教改革史研究会」のメンバーがそれぞれに論文を持ち寄って編まれた論文集です。歴史学の分野で宗教改革にかんする論文集としては、数十年ぶりの成果だと思います。その間の研究の蓄積と深化がはっきりと反映されており、目次を見ただけでも、どの論考も読み応えがありそうでわくわくします。

ありがたいことにご恵与いただいたので、ひとつひとつ大切に読み進めていきたいと思います。

宗教改革史を勉強しようと思う学生や大学院生にとっては、これまた近年刊行されたロバート・W・スクリブナー/スコット・C・ディクソン、森田安一訳『ドイツ宗教改革』(岩波書店、2009年)とともに、まず第一に参照されるべき研究成果であると思います。
by schembart | 2009-05-26 11:28 | 文献拝受