文書館のこと
2009年 12月 16日
これまでも何度も触れてきましたが、文書の害虫被害と文書館移転にむけての史料の一時的な疎開のため、1月からは史料へのアクセスができなくなってしまいます。24日からはクリスマス休暇なので、実際に文書館で研究できるのも、残すところあと一週間となってしまいました。
10月から3ヶ月間、開館日には毎日文書館に通った甲斐もあって、ずいぶんとたくさん史料を読むことができました。参照すべき史料も、思った以上に残されていることがわかりました。ですので、まだまだ読むべき史料はたくさん残っているものの、仕方がありません、一旦はおあずけです。
市立文書館では、閲覧室(Lesesaal)がひとつあり、利用者はそこで文書館員に史料を注文します。アウクスブルクの中近世の史料は、参事会議事録などの最重要なものしかマイクロフィルム化されておらず(ケルンの歴史文書館では、中近世の史料は8割方がマイクロフィルム化されているようです。アウクスブルクは、ずいぶんと遅れています)、ほとんどのものは現物がどさっと現れます。本のかたちに綴じられているものもあれば、中くらいの段ボール箱(Karton)に数百枚の史料がそのまま入って出てくるものもあります。
ただこの閲覧室、15人ほどで満杯となってしまいます。満杯になると、入口に「今日は満杯となりました。ですので閉館します」という張り紙が張り出されます。このごろは、上のような理由のため、10時ころには満室となっています。開館は8時なのですが、9時にはもう座り場所を探すのに苦労することとなります。パソコンの電源の場所が足りなかったりします…。ずいぶんと前から移転計画が練られているのもうなずけます。
さて今日は、なんとぼくの指導教授であるキースリング先生も文書館にいらっしゃって、どぎまぎしてしまいました。お忙しい先生なのでこのごろは見かけなかったのですが、お時間のあるときには今でも文書館で研究をされておられます。ぼくは奥の方に座っていたので、遠くから会釈をしただけでしたが、なんだかやはり緊張してしまいます。もしかしたら明日もいらっしゃるかもしれません。もし席がお隣なんかになってしまったら、もうドキドキして研究どころでありません。気分は恋する乙女です。またいつものあの名言を思い出してしまいました。「師を見るな、師の見ているものを見よ」。そう自分に言い聞かせるものの、やっぱり史料をじっくりと見入っている先生の後ろ姿が気になってしまいます。本当に格好良いのです、先生の後ろ姿。
なんのかんのいって、文書館での仕事ができるのも残すところあと一週間。
頑張らないといけません。
気がつけばまた、文字ばかりの味気ない日記が続いています。久しぶりに写真を載せたいものの、相変わらずアウクスブルクのクリスマス市の写真しかありません…。