中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

節約術の発明

今日もニュルンベルクへ来ております。ネットがうまい具合に繋がるホテルの部屋に当たったので、こうして日記の更新をすることに。

ニュルンベルク州立文書館での本格的な史料調査を始めようと意気込んで行ったのですが、ぼくがこれから重点的に読み込もうと決めていた史料がほぼすべてマイクロフィルム化されていることが判明。ぼくがこれまで行った文書館では、デジタルカメラでの史料の撮影は固く禁じられていまして、リプリント版を作成してもらうには別途それなりのお金を払って注文しなくてはなりません。ですので、これまでは現物を手にして、文字をパソコンに打ち起こすという地味な(そして全く効率的ではない)作業を地道に進めてきました。

でもマイクロフィルム化されているなら話は別。まずなにより、現物を手にする喜びが味わえません。なんだかんだ言っても、古い書物や文書に触れること自体が好きなのです。それが味わえないとなると、これはぱぱっとスキャンして、CD-ROMに焼いて、それなりのお金を支払って、はいお仕舞い、というえらく簡単なお話になります。読み込みは帰って部屋でやることになります。

気になるお値段ですが、これがなかなか安くありません。州立文書館だと、画像1枚につき60セント40セント。今日ぼくがスキャンしてCD-ROMに焼いてもらった史料は、およそ350葉。掛けまして200ユーロおよそ140ユーロとなります…。結構なお値段です。ですが、ニュルンベルクまでの電車賃と宿代を勘定に入れて考えますと、週二日通って史料をパソコンにぱちぱちと打ち込むよりかは、CD-ROMにして部屋で毎日少しずつでも読み進めた方がずいぶんと効率は良さそうです。ただ心配なのは、データを取って手元に置いておくだけで、なんだか満足してしまいそうな予感がすることです。

でも、まだまだ取り込まないといけない史料は大量にあります…。次回は、もう少し中身を確かめて、いらないところは外しながらスキャンしていこう…。ニュルンベルク通いも少なくして、交通費と宿泊費をスキャン代へまわして、あれをこうして、これをこうして…。うーむ。限られた財源、節約の精神が大切です。

話は変わりまして、来月、ベルリンで開催されるDAAD共同主催の集まりで発表させてもらうことが決まりました。20分の短いものですが、ドイツ語なので緊張してしまいそう。ちなみにテーマは、これまでもちらりと触れてきましたが(ここここ)、16世紀の薪節約術の発明について。小氷期や「1570年の危機」との関連性も指摘できたらと思っています。

Ein Energiespar-Projekt in der Geschichte? Die Erfindung der ‚Holzersparungskunst‘ als Maßnahme gegen die ‚Holznot‘ im späten 16. Jahrhundert.
歴史のなかの省エネ計画?16世紀後半の「木材不足」に対する「薪節約術」の発明

昔だって、限られた資源、節約の心が大切だったのです。なかなか面白いテーマだと思うのですが、不安はドイツ語です…。はやく原稿を作ってしまわないといけません。でもその前に、オリジナル史料を確認するために、オーストリア国立文書館へも足を伸ばす予定。バイオリン弾きのかみつキッド君と連れだって、初ウィーン。楽しみです。

そんなこんなで、今も昔も節約の精神は大切だ、というお話でした。明日は、ニュルンベルク市立文書館で読み残した史料を読んでしまおう。古い文書が醸し出すあの匂いを思い切り味わってこようと思います。
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by schembart | 2010-06-23 03:26 | 研究 | Comments(0)