中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

雪が降る、栗を食べる、本を読む

クリスマス市が始まる前に、雪が降りました。外はきっと寒いだろうに。引き籠りの血が騒ぐ(?)。オーバーゼミナールが終わって以来、なかなか腰を落ち着けることができず、いろいろと面白そうな本に手を伸ばしては、ぱらぱらと読み進めております。

Achim Landwehr: Kulturgeschichte, Stuttgart 2009.
アヒム・ラントヴェーア『文化史』

文化史に関する新書。文化史とは、対象によってではなく、歴史家がその対象に近づくさいの心構え・視点に対して与えられる名称である、とのこと。目次は、1.文化史の概略(Umrisse der Kulturgeschichte)、2.文化史の歴史(Geschichte der Kulturgeschichte)、3.理論、方法、史料(Theorien, Methoden, Quellen)、4.記憶と想起(Gedächtnis und Erinnerung)、5.身体と性(Köper und Geschlecht)、6.学知(Wissenschaft)、7.政治的な物事(Das Politische)、8.戦争と暴力(Krieg und Gewalt)、9.経済(Wirtschaft)、10.おまけ(Serviceteil: Weiterführende Literatur, Glossar, Sachregister)、となります。

文化史と言えば、アウクスブルク大学にはヨーロッパ文化史研究所(Institut für Europäische Kulturgeschichte)という研究所があり、ドイツにおける文化史の新しい潮流の一端を担っております。例えば、文化史の入門書執筆など(Sylvia S. Tschopp / Wolfgang E. J. Weber: Grundfragen der Kulturgeschichte, Darmstadt 2007)。

先日、アウクスブルクにおける人文主義とルネサンスに関して、そんな文化史の新しい動向を十分に踏まえた論文集が刊行されました。

Gernot Michael Müller (Hg.), Humanismus und Renaissance in Augsburg. Kulturgeschichte einer Stadt zwischen Spätmittelalter und Dreißigjährigem Krieg, Berlin 2010.
ゲルノット・ミヒャエル・ミュラー編『アウクスブルクにおける人文主義とルネサンス:中世後期から30年戦争までのある都市の文化史』

アルプス以北への人文主義とルネサンスの受容を考察する上で、アウクスブルクは重要な参照枠となるのです。本当はちゃんと文献紹介の形でご紹介したかったのですが、あまりにも内容が多彩だったので、ちょっと手に負えません。目次は、こちら。帝国都市アウクスブルクの都市政治に果たした人文主義の役割を概説的に扱った以下の論考だけコピーしてきました。

Wolfgang E. J. Weber: Humanismus und reichsstädtische Politik, in: Humanismus und Renaissance in Augsburg, S. 87-99.
ヴォルフガング・ヴェーバー「人文主義と帝国都市の政策」

アウクスブルク司教ペーター・フォン・シャウムブルク(Peter von Schaumburg: 1388-1469)から始め、コンラート・ポイティンガー(Konrad Peutinger: 1465-1547)を頂点に、マルクス・ヴェルザー(Marcus Welser: 1558-1614)までを取り上げながら、人文主義的なさまざまな要素が都市政治に果たした役割を論じていきます。なかなか苦手な分野だけども、もっと勉強しなくては。

アウクスブルクにおける人文主義と言えば、かつてこのブログでも簡単にご紹介しましたが、日本語でも以下のエッセイ風な論考がありました。

エンゲルハルト・ヴァイグル、三島憲一訳「アウクスブルク―旧ヨーロッパ的秩序の終焉」『思想』842, 1994/8, 64-79頁

なんだか取り留めのない日記になってしまいました。まぁいいや。単なる備忘録です。あと、栗を食べたことを書き忘れました。まぁいいや。窓の外では雪が降り続いています。
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by schembart | 2010-11-17 00:49 | 読書