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2017年4月から福岡大学人文学部歴史学科で西洋史を担当してます。


by schembart

人食い裸族のお話

ついに12月になってしまいました。先生方があちらこちらに忙しく走り回る季節です。

昨日は、以前にちょっと紹介しましたアウクスブルク州立・市立図書館後援会が主宰する講演会に行ってきました。現在アウクスブルク大学に客員として滞在中のクラウス・ヒルバート教授(Prof. Dr. Klaus K. Hilbert)による「ブラジルの野蛮な人食い裸族について("Von den wilden/nacketen/grimmigen Menschenfresser-Leuten im Lande Brasilien")」という興味深い題目の講演会。

聴衆はおじいちゃん、おばあちゃんを中心に50人近く。キースリング先生の姿も。久しぶりにお会いしたので緊張しちゃって、しどろもどろの挨拶しかできませんでした・・・。ああぁ。

ヒルバート教授は、ハンス・シュターデン(Hans Staden; um 1525-1576)が1557年に刊行した『新世界アメリカにある野蛮な人食い裸族の国に関する本当の物語(Warhaftige Historia und beschreibung eyner Landtschafft der Wilden Nacketen, Grimmigen Menschfresser-Leuthen in der Newenwelt America gelegen)』を史料に、シュターデンがブラジルの原住民に捕えられて、その習俗に畏れおののき、奇跡の帰還を果たすまでの軌跡を、その興味深い挿絵を紹介しながら詳細に解説してくれました。アウクスブルク州立・市立図書館にも、オリジナル刊本がいくつか所蔵されています。

帰宅してパソコンで調べてみると、なんと日本語訳もあるようです(ハンス・スターデン著、西原亨訳 『蛮界抑留記―原始ブラジル漂流記録―』帝国書院、1961年)。ご関心のある方は図書館で調べてみてください。ぼくも頭の片隅に記憶しておこう。現代ドイツ語訳もあるようなので、図書館行ったら見てみようと思います。

講演会の帰りに、またクリスマス市の写真を撮ってきました。もうお店は閉まっていたけども、イルミネイションがとっても綺麗。
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by schembart | 2010-12-02 02:51 | 講義・講演会・研究会