中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

ミュンヘンへ

今日は久しぶりにミュンヘンまで行ってきました。目的は三つ。(1)州立文書館が主宰する展示会「森のおはなし」を見に行く。(2)州立図書館で本をいくつか借りてくる。(3)ミュンヘンの研究者仲間と楽しいお昼ご飯。

(1)展示会「森のおはなし」
2011年は、国連が定める「国際森林年(the International Year of Forests)」です。知っていましたか? 日本でも、林野庁がいろいろとイベントを主催しております。こちら。ドイツでもいろんな場所でたくさん催し物が行われているみたいですが、バイエルンでも、「国際森林年」の一環として、州立文書館が「森のおはなし―バイエルンにおける営林と狩猟、811年~2011年(WaldGeschichten. Forst und Jagd in Bayern 811 - 2011)」という展示会を主催しています。

近代林業の発祥の地であるだけに、ドイツでは、森林をめぐるさまざまな問題を歴史的な視点から問おうという姿勢が明確です。林野庁のホームページを見ると、「伝統知」や「里山」といったキーワードは見いだせますが、中世までさかのぼって日本の森林がたどってきた歴史を問おうという姿勢は薄いような気がします。(あるいはどこかで議論がなされているのかもしれません。ご存知の方、ご教示いただければ幸いです。)

展示会は、811年のカール大帝による森林の開墾を認めた国王証書から、現代の温暖化に至るまで、バイエルンの森林がたどってきた歴史をさまざまな視点から取り上げています。それほど大規模な展示会ではないので、1時間かけてのんびり見て回りました。ニュルンベルクの帝国森林に関する国王証書や森林条令もオリジナルが展示してあって、ぼくには嬉しい限り。展示カタログも購入してきました。なかなか充実したカタログなので、またこのブログでも内容をご紹介したいと思います。

Ausstellungskatalog, WaldGeschichten. Forst und Jagd in Bayern 811-2011, hrsg. v. Generaldirektion der Staatlichen Archive Bayerns, München 2011.
展示カタログ『森のおはなし―バイエルンにおける営林と狩猟、811年~2011年』

(2)バイエルン州立図書館
図書館では4冊の本を借りてきました。アウクスブルク・ネットワークについての論文集、シリング先生の教授資格取得論文、それからティロルの森林と河川についての古典的研究2点。余裕があれば、このブログでも内容を紹介します。

Klaus Herbers / Peter Rückert (Hg.), Augsburger Netzwerke zwischen Mittelalter und Neuzeit. Wirtschaft, Kulutur und Pilgerfahrten (Jakobus-Studien Bd. 18), Tübingen 2009.
『中世から近代にかけてのアウクスブルク・ネットワーク:経済、文化、巡礼』

Lothar Schilling, Normsetzung in der Krise. Zum Gesetzgebungsverständnis im Frankreich der Religionskriege (Studien zur europäischen Rechtsgeschichte Bd. 197), Frankfurt am Main 2005.
『危機の時代における規範の設定:宗教戦争期フランスにおける立法理解のために』

Heinrich Oberrauch, Tirols Wald und Waidwerk. Ein Beitrag zur Forst- und Jagdgeschichte (Schlern-Schriften Bd. 88), Innsbruck 1952.
『ティロルの森林と狩猟:森林・狩猟の歴史』

Otto Stolz, Geschichtskunde der Gewässer Tirols (Schlern-Schriften Bd. 32), Innsbruck 1936.
『ティロルの河川についての歴史研究』

(3)楽しいお昼ご飯
ミュンヘン大学で研究をしている先輩と同期の方を誘って三人でお昼ご飯。ぼくは今が旬の白アスパラガスとビールを注文して、一足早く週末気分。今年初の白アスパラガスに舌鼓を打ちつつ、研究の話に花を咲かせてきました。いつものことだけど、とても良い刺激をたくさんもらってきました。みんなに負けじとこれからも研究をがんばろうと、改めて思った次第です。
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by schembart | 2011-05-14 04:50 | 留学生活