ペストが通った道を行く
2013年 03月 10日
1633年、30年戦争の混乱のさなか、エッシェンローエの村であくせく働くカスパー・シスラーという日雇い人がいました。彼はオーバーアマガウの出身。この年の夏、バイエルン中でペストが流行します。エッシェンローエでも「黒死病」が猛威を振るいます。オーバーアマガウでは、村の境界に見張り番を立て、ペストの侵入を免れていました。ペストに罹ったカスパーさん、教会開基祭を目前に、妻と子供たちに早く会いたいと、山の隠れ道から村に帰宅します。その結果、ペスト菌はオーバーアマガウに侵入します。教会開基祭後の金曜日、カスパーさんは死去、10月28日までに、さらに84名の村民が命を落とします。ペストの蔓延を神の怒りと解釈した村人たちは、1634年、キリスト受難劇の上演を決定。以後、10年毎にオーバーアマガウでは受難劇が上演されることになりました。「カスパー・シスラーの道」は、あの有名な10年に一度のオーバーアマガウ・キリスト受難劇のきっかけを作った道だったのです。(参照:こちらのSpiegelの記事)
昨日は、そんなことまったく知らずに、登山を楽しんできました。エッシェンローエの教会の後ろにそびえるホーエキステン(Hohe Kisten)は、まだまだ深い雪におおわれています。
お花も顔を出し始めています! 久しぶりで緊張したのか、ぼけちゃってる写真もありますますが…。
ここからようやく山登り。
途中からは雪道。標識を目印に、雪の中を登っていきます。
無事にオーバーアマガウに到着。雪道で迷ったりしたので、16キロほど歩いたようです。雪のなかなので、全身運動です。引き籠り生活を続けるぼくには、とってもよい運動となりました。ミュンヘンに戻って、例のごとく匠さんのラーメン。写真は撮り忘れました。そろそろ春の花が咲き始めるころですので、これからますます登山が楽しくなります!