中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

カテゴリ:研究( 81 )

三者面談

今日は、6月末から延長になってた三者面談に行ってきました。今回は1時間強。またまた骨のある面談となりました。先週末に先生にお送りした草稿をもとに、まずドイツ語表現の誤りをたくさん指摘してもらいました。ドイツ語難しい…。とにかく、曖昧な表現は避けるように、とのこと。情報はより精確に、より厳密に。一般的でない用語には、かならず説明を付けること、等々。

使用してる史料については、たいへんに興味深いし、新しい論点がたくさん含まれているから、あとはそれを自分の言葉で解説し、非・専門家が読んでもわかるように叙述していくこと。いっつも言われてることだけど、なかなかどうして、これが難しい。叙述の仕方の問題。いまのままじゃ、史料の持ってる本来の価値を生かせていない。返す言葉もありません。

博士論文の構成については、ニュルンベルクの事例は比較のための参照程度にとどめ、アウクスブルクの事例研究を議論の柱としてじっくりと深めることとなりました。博論完成までの時間的な問題もあるのですが、アウクスブルクの事例だけでインパクトのある議論を展開できるだろう、と。アウクスブルクの事例は、研究史的にも新しいモデルを提供し得るし、よりアクチュアルな議論を喚起できる見通しもできました。比較の視点にこだわり過ぎて、議論が散漫になってしまう可能性もあり、じつはこの点はずっと迷っていたのです。キースリング先生、シリング先生共に同意見だったので、あとは突き進むのみです。集中です。集中。ここ掘れワンワン、です。

次の三者面談は10月。雨上がりの空には虹が出ます。この夏は踏ん張り時です。
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by schembart | 2012-07-11 21:30 | 研究

三者面談の延長

今週に予定されていた面談が2週間後に延長と相成りました。先生もお忙しいご様子。

面談のために準備を進めていた草稿は、なんとか80パーセントほど出来上がっていたものの、まだまだ未完成。面談延長が決まって、ちょっとほっとしているぼくは、根っからの怠け者なのです。うう。お尻を叩かないといけません。またいつもの悪い癖で、まだまだ史料の引用が多すぎです…。史料に頼り過ぎてはいけません。議論をしないと。議論を。史料集を作ってるわけじゃない、ぼくは博士論文を書いてるんです。繰り返し、自分に言い聞かせます。

先週末は、ドイツで森林関係の研究をされている方とご飯を食べて、ビールを飲む機会がありました(dunkelさんかみつキッドくん。どうもありがとうございました)。いやはや、楽しかったです。森林研究と言っても、分野も様々です。林業経営や林政学、地理学、環境学などなど、つらつらと話してるだけでも、興味深い話題が盛りだくさんで、良い刺激をもらってきました。

今日は月一恒例のミュンヘン州立図書館参り。いつもお世話になっているミュンヘンの研究者仲間の先輩とご飯です。いつものごとく、これまた刺激をもらって来ようと思います。いくつか本も借りくる予定。時間があれば、またこちらでも紹介したいと思います。

しっかりと今の研究を完成させて、このブログもちゃんと終えられるよう、頑張らないといけません(目指せ有終の美)。そんなことばかりを、この頃よく考えております。
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by schembart | 2012-06-25 17:28 | 研究

三者面談

アウクスブルクに戻ってすぐですが、今日はキースリング先生、シリング先生との三者面談に行ってきました。一時帰国していたこともあり、先月の面談がずいぶんと昔のことのようです。今回は、博士論文の「はじめに(Einleitung)」の章を中心に、これまた90分弱の面談となりました。

「議論下手」なぼくも、今回の導入部ではがんばって論争的なスタンスで臨みました。その甲斐もあって、先生たちからは合格点をいただけました。もちろん、修正すべき点はまだまだたくさんあるものの、方向としては間違ってないことを確信できただけでも、ぼくにとっては非常に大きな意味のある面談となりました。博士論文全体の構成に関しても、重要な変更があったのですが、先生たちからも「そのほうが良いね」と承諾していただけました。良かった、良かった。

次の三者面談は6月末。この2ヶ月で、新しい章の草稿を完成させられるよう、がんばろう。でもそのまえに、来週までにとある「報告書」の書き直しを命じられたので、まずはそれをクリアしないといけません。

すべてがうまくいったかというと、そんなこともなく、ちょっとした問題も持ち上がりました。うーむ。前途は相変わらずの多難です。だからこそ、乗り越える意味もあるというもの。「高ければ高い壁のほうが、登ったとき、気持ちいいもんな」(桜井和寿)、の精神で精進します。限界だなんて、思っちゃいないのです。

それにしても、思っていたよりも、ドイツはまだまだ寒いです。桜の花がもう待ち遠しい。風邪をひかないよう、気を付けないと。みなさまも、どうぞご自愛ください。
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by schembart | 2012-04-19 02:26 | 研究
一時帰国でばたばたしておりますが、そんななか、大学院のゼミで中間報告をさせてもらいました。年度始めの大切なゼミの時間をいただけて、ありがたい限りです。

報告タイトル:
「16世紀アウクスブルクにおける森林政策―森林書記の会計簿を史料に」
レジュメは、こちら

半年間の史料調査で集めたデータを生のままで提示したので、まだまだ議論は中途半端です。図や表は、ドイツ語のままで、見苦しいところもあるかと思いますが、途中経過ということで、ご容赦ください。こうして半年に一度、日本語で成果を聞いてもらえる機会があるのは、ほんとうに有り難い限りです。先生や先輩方、後輩たちからもいろいろと有意義なコメントをもらったので、それを糧にまたがんばろうと思います。独りよがりな議論にならないように。

今日はお花見に行ってきました。ちょっと肌寒いけど、桜は満開です。写真はまた次回のお楽しみ。
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by schembart | 2012-04-08 15:43 | 研究
前回に引き続き、論文刊行のお知らせです。

渡邉裕一「貧民への木材供与―16世紀アウクスブルクの事例から」『エクフラシス―ヨーロッパ文化研究』(早稲田大学ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所)第2号、2012年、137-152頁

はじめに
第1章 16世紀前半における貧民救済の制度化
(1) 都市の救貧制度改革―1522年の貧民条令
(2) 喜捨システムの制度化―1541年の喜捨条令
(3) 1540年代の木材不足と貧民への木材供与
第2章 16世紀後半における貧民への木材供与
(1) 喜捨局による定期援助と木材供与の割合
(2) 食糧管理局による木材供与
(3) 疱瘡院への木材の定期的支給
おわりに

前回の「木材供給」論文では、都市がいかに木材を調達していたかを論じましたが、今回は、その苦心して調達した木材を、都市が市内でいかに分配していたのかを問うために、16世紀アウクスブルクで活発に観察される「貧民への木材供与」を取り上げました。社会史研究で重厚な蓄積がある都市の救貧政策との関連性も強く意識しました。市内における燃料資源の適切な分配は、都市の社会福祉政策にも関わる重要な課題だったのです。ぜひ、「木材供給」論文とご一緒に読んでいただければ大変うれしいです。どうぞよろしくお願いします。

この時期に2本の論考を発表できたのは、今の自分にとっては大変に意味のあることだと思っております。博士論文の完成に向けて、姿勢を正して、また一段と頑張らないといけません。はい。そうです。がんばろう。
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by schembart | 2012-03-30 15:49 | 研究
以下の論文が刊行されました。

渡邉裕一「中近世アウクスブルクの木材供給―都市の森林所有とレヒ川の木材流送」『西洋史学』第241号、2011年、1-18頁

はじめに
第1章 都市の木材需要と市参事会による諸対策
(1) 都市の木材需要
(2) 市参事会の諸対策
(3) 都市の森林所有とその管理
第2章 レヒ川の木材流送と地域社会への影響
(1) 木材流送の前提条件
(2) 木材流しと筏流し
(3) レヒ川上流の都市および村落共同体との軋轢
おわりに

本稿は、2009年の日本西洋史学会大会(於:専修大学)で口頭報告した内容をもとに、その後の史料調査の成果をくわえ、大幅に加筆・修正を加えた論考になります。時間をかけた甲斐もあり、オリジナルな議論が展開できたと自負しております。今まで発表した日本語文献のなかでは、一番の自信作です。どうぞ手に取ってお読みいただければ幸いです。ぜひ読みたい、という方がいましたら、お気軽にご連絡ください。どうにかいたします。

また、早稲田大学ヨーロッパ中世・ルネサンス研究会の紀要雑誌『エクフラシス』第2号にも論文を掲載していただきました。それについても、またこちらで改めて宣伝いたします。乞うご期待下さいな。
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by schembart | 2012-03-27 17:45 | 研究

三者面談

先月に引き続き、また三者面談をしてもらいました。今回は90分弱ほど。先月からの宿題は、なんとかクリアしたものの、厳しいコメントもたくさんいただきました。説明不足の部分が多いから、もっと丁寧に説明しなさい。文章の書き方がなってない、専門以外の人が読んでも理解できるように書きなさい。史料の引用に頼りすぎです。史料が直接何かを語ってくれるわけじゃなく、あなたが語らないといけません。常に何が問題となっているかを意識して、文章を組み立てなさい。などなど。

頭ではわかっているものの、なかなかうまくは行きません。駄目だしをもらい、そこを修正し、また駄目だしをもらう。はじめから立派な文章がかけるなんてことは、やはり無いのです。少しずつ、時間をかけて、組み立てていかないといけません。また来月の三者面談にむけて宿題をたくさんもらいました。尻を叩いてもらいながら、一歩一歩と前に進むしかありません。がんばろう。面談の後には、いつだって、そんな気分になってしまいます。うん、がんばろう。そんな、独り言でした。

去年の3月の三者面談は、11日にありました。朝起きて震災のニュースを知り、あたふたしたまま面談に向かった記憶があります。あれから、もうすぐで一年が経とうとしています。自分なりに、いろいろと考えないといけないことが、たくさんです。
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by schembart | 2012-03-08 04:09 | 研究

三者面談

昨日は、キースリング先生とシリング先生との三者面談をしてきました。一時間弱ほど。今回の面談では、昨年じっくりと調査した「森林書記の会計簿(こちらこちら)」を主要史料に、いくつかの表・グラフも含めた20頁ほどのペーパーを用意して、先生方にはあらかじめ目を通してもらっていました。いつもの悪い癖で、史料にのめり込んでいたせいで、先生からは「議論をしないと!!」とお尻を叩かれてしまいました。興味深い素材はもう手元にあるのだから、と。ほんとうに、悪い癖です…。史料集を作るのが博士論文の目的ではないのです。森林の研究なのに、「木を見て森を見ず」になってしまっては、本末転倒も良いところ。ほんとうに、もう。もっと大胆に解釈を加えて、オリジナルかつインパクトのある研究にしないと。

今後の具体的な研究計画もふくめ、3月にまた三者面談をしていただくことに。それまでに、今回のペーパーをしっかりと「論文」に仕上げてこいという宿題を課せられたので、2月もがんばろうと思います。博士論文の核となる部分なので、気合を入れないといけません。4月にも三者面談の予定を入れてもらったので、ひとつひとつの面談を大切に、着実に階段を登っていかないといけません。土台ばかりを固めていても、上には進めないのです。ちょうど2011/12年冬学期のオーバーゼミナールも今日で最後だったので、今月は腰を落ち着けて、じっくりと論文執筆に励もうと思います。

去年の同じ時期の面談からはや一年、先生の言うとおり、たしかに素材は十分に集まったように思います。そろそろ史料の渦から這い出てくる時期なのかもしれません。(ほんとうは、まだまだ読みたい史料が眠っているのですが…、時間との相談です。優先順位を考えないと…。)
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by schembart | 2012-02-02 09:53 | 研究
あっという間に2011年も暮れていきます。昨年一昨年に引き続き、一年間の研究成果を振り返ってみようと思います。

まずは論文。

渡邉裕一「16世紀後半における薪節約術の発明とその社会背景―ニュルンベルク市民レオンハルト・ダンナーへの特権授与を手掛かりに」『西洋史論叢』 第32号(2010年12月)、59-69頁
詳細は、こちら

Yuichi Watanabe, Die Erfindung der „Holzersparungskunst“ als Maßnahme gegen die „Holznot“ im 16. Jahrhundert. Ein historisches Energiespar-Projekt? in: 4. Deutsch-japanisch-koreanisches Stipendiatenseminar (11. Treffen von DAAD-Stipendiaten), 12. und 13. Juli 2010: Veröffentlichungen des Japanisch-Deutschen Zentrums Berlin Bd. 61 (2011), S. 224-233.
詳細は、こちら

研究会・学会での報告はありませんでしたが、一時帰国の折に早稲田大学の大学院ゼミで中間報告をさせてもらうことがきました。

2011年10月7日
「16世紀アウクスブルクにおける森林書記の会計簿―その史料価値と現在の調査状況」
早稲田大学大学院文学研究科、大学院ゼミ(甚野研究室)
詳細は、こちら
レジュメは、こちら

この一年、文書館ではずっと「森林書記の会計簿」と格闘しておりました(こちらこちら)。まだまだ読み込みが必要ですが、1555年から1607年まで、残存している史料については一通りのデータを拾い上げることができました。「森林書記の会計簿」という史料が持つ可能性も、調査を続けるうちに、ますます実感できるようになっております。あとはどう調理をするかです。急がば回れ。じっくりと消化しなくてはいけません。

2012年は、まず2月初めに、キースリング先生、シリング先生との三者面談が決まっております。前回の面談からずいぶんと時間がたってしまいましたが、調査の結果をしっかりと目に見える形にして提示できるように、万全に準備をしなくてはいけません。とりあえずは、この面談を首尾よく乗り切ることを直近の目標にがんばろう。2012年には、新たに論文2本が刊行される予定ですので、それについてもまたこちらでご紹介できるかと思います。史料と格闘するうちに、博士論文後の研究テーマも、おぼろげながらに構想が出来上がってきました。とはいえ、急がば回れ。まずは博士論文。いやいや、まずは2月の三者面談。がんばろう。
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by schembart | 2011-12-29 02:28 | 研究

大学院ゼミでの中間報告

先週金曜日の大学院ゼミで、以前にもご紹介しました「森林書記の会計簿」について、その史料可能性と現在までの調査状況を中心に中間報告をさせてもらいました。先生をはじめ、多くの方から有益なコメントいただけ、ありがたいかぎり。まだ中間報告ということで、しっかりとした成果を出すまでには至っておりませんが、この段階でいろいろとアドバイスをもらうことができ、これからの研究の励みにもなりました。

Reserchmapに報告で配付したレジュメをアップしておきました。ご関心のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご笑覧くださいな(ご質問やコメント、ご批判も随時受け付けております)。

報告タイトル:
16世紀アウクスブルクにおける森林書記の会計簿―その史料価値と現在の調査状況
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by schembart | 2011-10-10 21:48 | 研究