中近世ドイツ都市史を研究する渡邉さんの日々 2009年夏からドイツに留学中(2013年9月に帰国しました)


by schembart

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ドイツへ

実家での生活も、いろいろとばたばたしておりまして、気がつけばもう7月も終わりです。あっというまに渡独です。

明日、名古屋の中部国際空港を飛び立ちまして、雲の上。土曜日のうちにミュンヘン空港に到着の予定です。無事に着けば良いな。

8月、9月はミュンヘンの語学学校へ通う予定。

南ドイツの大都市ミュンヘンですが、一昨年のアウクスブルク大学交換留学中に訪れたのはたったの一度きり。12月のクリスマス休暇中で、寒い冬空の下を歩いた記憶があります。ミュンヘン大学や英国公園。ああ懐かしい。

せっかく2ヶ月間も滞在するので、ミュンヘンのあちらこちらを回ってこようと思います。なんといっても博物館・美術館がたくさんあるのがミュンヘンの売り。当面のこのブログは、もっぱら「ミュンヘン博物館・美術館めぐり」に終始するかもしれません。

もちろん語学研修も頑張らなくてはいけません。すっかりドイツ語の雰囲気も忘れてしまいました(一年前に会話ができていたかどうかも怪しいものですが…)。いまさらの話ではあるのですが、ドイツ語の聞き取りと会話には、どうしても苦手意識が残っています。ああ。がんばろう。

そんなこんなで、この南ドイツ留学(準備)日記からも、ようやく準備の二文字が抜けて、正式な留学日記が始められそうです。弱音ばかり吐いても居られません。

新しい一ページのはじまりです。今後ともどうぞよろしくー。
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by schembart | 2009-07-31 11:10

大学の入学許可証

ようやくアウクスブルク大学から入学許可証が届きました。

一週間後には東京の住まいを引き払って実家に戻る予定だったので、無事に届いてほっと一安心です。

10月からは、アウクスブルク大学のバイエルン・シュヴァーベン地域史学科(Universität Augsburg, Lehrstuhl für Bayerische und Schwäbische Landesgeschichte)に籍を置く予定です。むこうでの指導教授ロルフ・キースリング先生(Prof. Dr. Rolf Kießling i. R.)は、シュヴァーベン地域史およびアウクスブルク都市史研究の第一人者です。とくにその都市-農村(周辺地)関係論、中心地システム論は日本の学界でもよく知られています。

R.キースリンク著、田北広道訳「中世後期における都市=農村諸関係―特に南ドイツの例による最近の業績を手掛かりとした問題提起と方法についての考察―」森本芳樹編『西欧中世における都市と農村』九州大学出版会 (1987), 165-239頁。

「博士課程のお父さん(Doktorvater)」という呼称があるように、指導教授と良い関係を保つことが、博士号取得をめざす学生にとってはなによりも重要となり、それは留学生であれば尚更であるように思います。キースリンク先生は、ドイツ人の教授にしては珍しく(?)、とっても物腰も穏やかで、ぼくのような留学生に対しても優しく、誠実に接して下さります。すでに定年を迎えられており、現在は大学のゼミナールや講座を担当してはないのですが、シュヴァーベン研究協会(Schwäbische Forschungsgemeinschaft e. V.)の会長やアウクスブルク大学図書館の評議会顧問などを務めておられ、まだまだお元気にご活躍中です。こちらがキースリング先生

ぼくが昨年、アウクスブルク都市文書館(Stadtarchiv Augsburg)で必死に史料と向き合って頭を抱えているとき、先生が部屋に入ってこられて、びっくりとした経験が何度かありました。そんな時に「よくやってますね」と一声かけてくれるのが、とっても嬉しかった記憶があります。ぼくの前の席に座って、ぱらぱらと史料を読み進める先生の後ろ姿には、ただただ憧れるばかりでした。その後ろ姿を眺めては、「師を見るな、師の見ているものを見よ」という格言を思い浮かべ、史料との格闘に向きなおったものです。

また10月から、そんなキースリング先生の後ろ姿を見ながら、自分の研究を掘り進めていきたいなと思います。

引っ越しの準備に追われながら、そんなことを考えました。

部屋の掃除の続きをせなくては。
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by schembart | 2009-07-17 22:46

本の整理

留学まであと2週間と少しです。

本当にあっという間で、うまいこと頭の中も整理できていないのですが、まずもって整理すべきは本棚です。思えば、一年にもみたない東京生活でしたが、またずいぶんと書籍が増えてしまったのです。

ブックオフで買い取ってもらうと同時に、ドイツに持っていくための書籍も探さなくてはいけません。

もちろんあまり多くは持っていけないので、厳選に厳選を重ねて、持参すべき本を選ぶ予定です。できるならば、何度も繰り返し読める、とても長ーい物語小説などが狙い目です。宮本輝さんの「流転の海シリーズ」はもう決まっております。その他にはなにが良いかな、あれもこれも持っていきたくなってしまいますが、我慢です。

またぼくのために送別会をいくつかの場で企画していただいてまして、とてもありがたいことです。みなさんが頑張ってこいよ、と肩を叩いてくれます。気分も引き締まります。

と同時に、投稿用の論文も大詰めです。渡独前には投稿してしまいたいものです。

そんなこんなで、落ち着いた生活とは無縁ではありますが、ぼくは元気でやっております。

みなさまも夏バテにはお気を付け下さいな。
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by schembart | 2009-07-14 13:36

本屋さん

大学院生になってずっと続けてた本屋さんのアルバイトも今日で終了です。感慨深い。

週三日で本屋のレジに立ったり、返品をしたり、店内整理をしながら新刊チェックする時間は、ぼくの日常生活にとっても良い影響を与えてくれました。好きこそものの上手なんとかで、とっても自分に適した職場であったように思います。

なによりも多くの本に囲まれてお仕事するのは気分が良いものです。

それにこの本屋さんでたくさんの友人もできました。得難い友人たちです。

本屋さん業界は昨今なかなか景気も良くないという話をよく耳にしますが、本屋さんの一アルバイトとしては、すべての出版業界さんにがんばってもらって盛り上げていってもらいたいなぁ、と勝手ながらに望んでおります。みなさん頑張ってくださいな!

なにはともあれ、今日はあれやこれやの思い出に耽りながら、じっくりと本屋さんの仕事に従事しようと思います。本屋のレジでぼけっとした店員がいたとしたら、そいつはぼくだと思ってくださって違いないでしょう。

引っ越しや留学の準備にも本腰を入れてやる時期が迫ってきました。
投稿論文の執筆も同時に進めており、頭の中もぐちゃぐちゃです。

へばってしまわないよう、夏バテには気をつけたいと思います。
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by schembart | 2009-07-09 12:35

青豆さんと天吾くん

今日は読書のお話です。

村上春樹『1Q84』新潮社

やっとこさ読み終えました。毎日毎日、数章づつ大切に読み進めていたら、もう終わってしまいました。もう読む章がないのは、なんとも寂しい限りです。

青豆さんと天吾くんの物語は、互いに引き寄せ合いながら、大きな渦となって、ぼくやら他の読者もろともに、巻き込んで進んで行きました。きっと、多くの読者たちも、あの渦に呑まれてしまったように思うのです。

高校生の頃から村上さんの本は読みつづけています。

その間、ずいぶんといろんな本を読んできて、文学理論的なあれこれに関しても、「メタ物語」であるとか「神の視点」だとか「パラレル・ワールド」やら「父の不在」果てには「エディプス・コンプレックス」といった鍵概念について、なんらかの知識も手にしてきたのです。頭でっかちになったのです。

それは、ぼくの小説の読み方になんらかの影響を与えています。良い悪いに関係なく。どうしようもなく。

そんな文学理論はきれいに戸棚の上に閉まっておけばいいのですが、小説を読むさいぼくにとってなによりも重要なのは、最後の頁をめくって目を上げた時に見える風景がちょっぴりと変わってしまう、あの感覚を味わうことなのです。

残念なことではあるのですが、年を重ねるにつれ、いろんな本を読み進めた結果か、そういう純粋な経験をすることが少なくなっています。正直な話、昔のままではいられないのです。

そんなこんなで村上さんの新刊です。

久しぶりにその感覚が味わえたように思います。

空には月が二つ浮かんでいるし、本屋では『空気さなぎ』が平積みになってます。でも天吾くんも言っているように、月が一個しかなくても、二個あっても、三個あっても、結局のところ天吾という人間はたった一人しかいない、のです。「そう、話のポイントは月にあるのではない。彼自身にあるのだ」

世界が変わってしまったとしても、問題はぼくの側にあるのです。

『1Q84』がたくさん売れているおかげで、今まで手に入りづらかった村上さん編『少年カフカ』が再版されて店頭に並んでいます。まだ読んでなかったので、これを機に買おうと思います。そして『海辺のカフカ』を読み返そうかなと思います。

2009年も半分終わりました。
渡独の日時が近づいてきました。夏バテにならないよう、あれやこれやの準備も進めていきたいなと思います。
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by schembart | 2009-07-03 23:57 | 読書